101G17

36歳の女性。脊髄腫瘍のため1か月前から歩行不能であった。腫瘍摘出手術の翌朝、突然呼吸困難を自覚した。体温37.2℃。呼吸数28/分。脈拍100/分、整。血圧90/72mmHg。II音の亢進を認める。動脈血ガス分析(自発呼吸、roomair):pH7.47、PaO2 50Torr、PaCO2 33Torr。胸部造影CTを別に示す。
考えられるのはどれか。
気胸
肺炎
無気肺
肺水腫
肺血栓塞栓症

解答: e

101G17の解説

腫瘍摘出手術の翌朝、突然呼吸困難を自覚した36歳女性。胸部造影CTでは両側肺動脈に造影欠損像を認め、肺血栓塞栓症の診断である。手術歴に加え、脊髄腫瘍のため1か月前から歩行不能であった状況がさらに血栓形成を促したのであろう。II音の亢進は肺血栓塞栓症による肺高血圧によるものと考えられる。動脈血ガス分析にてPaO2が低下し、PaCO2も過換気により低下していることも確認のこと。
a 画像にて虚脱した肺をみるはず。
b 炎症所見や肺の浸潤影をみるはず。
c 画像にて含気の低下した部位をみるはず。
d 聴診でのcoarse cracklesや画像内のうっ血所見をみるはず。
e 正しい。上記の通り。

正答率:95%

テーマ:肺血栓塞栓症〈PE〉の診断

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