101D16

45歳の女性。体動時の息切れを主訴に来院した。半年前から駅の階段を上がる際に息切れと動悸とを自覚していた。最近、平地での早歩き程度でも動悸を感じるようになった。意識は清明。身長154cm、体重49kg。呼吸数18/分。脈拍92/分、整。血圧126/82mmHg。眼瞼結膜は貧血様。大動脈弁領域に駆出性の収縮期雑音を認める。血液所見:赤血球300万、Hb 8.1g/dL、Ht 23%、白血球4,200、血小板40万、白血球分画に異常はない。
対応として適切なのはどれか。
骨髄穿刺
出血源の検索
免疫抑制薬の投与
ビタミンB12の筋注
赤血球濃厚液の輸血

解答: b

101D16の解説

中年女性の体動時の息切れ。MCV=23000÷300≒76.7と小球性の貧血をみている。大動脈弁領域に駆出性の収縮期雑音を認めるのは貧血の代償機転。中年女性であることから鉄欠乏性貧血が考えやすい。その原因として最も考えられるものを選択肢から選ぼう。
a 骨髄疾患を考えた際に行う。正球性貧血のことが多い。
b 正しい。消化管出血や子宮由来の出血などが考えやすい。
c 膠原病などによる貧血を考えた際に行う。正球性貧血のことが多い。
d 巨赤芽球性貧血を考えた際に行うが、それならば大球性となる。
e 激しい貧血では対症療法として行われるが、本患者はHbが8.1g/dLあり、今すぐに輸血をしないと死んでしまうような状況ではない。

正答率:83%

テーマ:貧血をみる患者への対応

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし