101A46

12歳の男児。右下腿の激痛を主訴に午後11時に来院した。当日午後3時、野球の試合中に右脛骨を骨折し、徒手整復と大腿以下のギプス固定とを受けた。ギプスを分割すると下腿の腫脹が著明で、下腿前外側部の激痛のため足関節の運動が不能である。エックス線単純写真で骨折の側方転位は10mmである。前脛骨筋の筋内圧は著明に上昇している。
直ちに行う処置はどれか。
再ギプス固定
徒手整復
直達牽引
筋膜減張切開
観血的整復固定

解答: d

101A46の解説

ギプスの圧迫によって下腿の内圧が上昇したコンパートメント症候群と考えられる。本症例のような下腿前方のものは特に前脛骨区画症候群という。まずは圧迫している原因を取り除き、必要があれば減張切開を行う。これによって筋内圧が低下し循環が改善される。
a 再度圧迫することになってしまうため不適。
b 脱臼しているわけではないため不適。
c 転移があるも、「直ちに」行う処置とはいえない。
d 正しい。すでに筋内圧の著名な上昇と神経障害が進行しているため必須である。
e dの後、必要があれば行う。「直ちに」行う処置とはいえない。

正答率:96%

テーマ:コンパートメント症候群〈区画症候群〉に直ちに行う処置

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