101A38

25歳の男性。排尿時の違和感と尿道分泌物とを主訴に来院した。2週前に性行為感染の機会があった。1週前に前医を受診し、尿道炎と診断されペニシリンの投与を受けたが、症状が改善しなかった。外陰部と前立腺とに異常を認めない。尿所見:蛋白(ー)、糖(ー)、潜血(±)、沈渣に赤血球2~3/1視野、白血球10~20/1視野。尿沈渣のグラム染色で細菌を認めない。
尿道炎の原因で最も考えられるのはどれか。
淋菌
大腸菌
緑膿菌
ブドウ球菌
クラミジア

解答: e

101A38の解説

症状を確認すると、潜伏期間は2週と長く全体的にあまり派手ではない症状であることが分かる。また、グラム染色で細菌が認められず、おそらくクラミジアによる尿道炎と考えられる。
a 淋菌性尿道炎では全体的に激烈な症状が見られ、潜伏期間も短い。本症例では比較的症状は穏やかであるため合致しない。
b 大腸菌が原因となることもあるが、性行為と関連しないことが多い。
c 長期カテーテル留置の入院患者で認められる可能性はあるが、健康な若年者に緑膿菌感染症が生じることはほぼない。
d ブドウ球菌が原因となることもあるが、性行為と関連しないことが多い。また、もしブドウ球菌が原因であればペニシリンで効果が表れていた可能性がある(が、耐性菌の可能性もあるので何とも言えない)。
e 正しい。非淋菌性尿道炎の中で最も多いのがクラミジア性である。マクロライド系の抗菌薬投与を行う。

正答率:81%

テーマ:クラミジア尿道炎の診断

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