101A27

75歳の男性。下血を主訴に来院した。今朝、突然の左下腹部痛があり、その後、3回の下血を認めた。20年前から糖尿病と高血圧とがある。身長168cm、体重54kg。体温37.2℃。脈拍88/分、整。血圧118/62mmHg。眼瞼結膜に貧血を認める。左下腹部に圧痛を認める。筋性防御を認めない。下行結腸の内視鏡写真を別に示す。
最も考えられるのはどれか。
感染性腸炎
薬物性腸炎
大腸憩室炎
虚血性大腸炎
潰瘍性大腸炎

解答: d

101A27の解説

内視鏡写真では粘膜の発赤、びらん、浮腫を認めており、虚血性腸炎を疑う。
a 高熱でもなく、感染徴候としては乏しい。
b 抗生剤の内服歴の記載はなく、可能性は低い。
c 内視鏡所見からは憩室は認めない。
d 正しい。本疾患は便秘や動脈硬化が誘因となりうるため、既往歴に高血圧や糖尿病があることからも虚血性腸炎のハイリスク患者であったといえよう。
e 血管透見性の消失はなく、また高齢の突然発症からも慢性疾患である潰瘍性大腸炎〈UC〉の可能性は低い。

正答率:79%

テーマ:虚血性大腸炎の診断

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