101A28

55歳の女性。2週前からの褐色調尿を主訴に来院した。身長155cm、体重52kg。眼球結膜に黄染を認める。右肋骨弓下に肝を3cm、左肋骨弓下に脾を2cm触知する。血液所見:赤血球325万、Hb 9.2g/dL、Ht 30%、白血球5,400、血小板9万。血清生化学所見:総蛋白6.7g/dL、アルブミン3.8g/dL、IgG 1,360mg/dL(基準960~1,960)、IgA 150mg/dL(基準110~410)、IgM 480mg/dL(基準65~350)、総ビリルビン3.2mg/dL、直接ビリルビン1.9mg/dL、AST 62U/L、ALT 59U/L、ALP 782U/L(基準260以下)、γ-GTP 322U/L(基準8~50)。免疫学所見:CRP 0.3mg/dL、HBs抗原陰性、HCV抗体陰性、抗核抗体80倍(基準20以下)、抗ミトコンドリア抗体160倍(基準20以下)。
この疾患に合併する頻度が高いのはどれか。2つ選べ
胃潰瘍
骨粗鬆症
食道静脈瘤
潰瘍性大腸炎
Behçet病

解答: b,c

101A28の解説

肝腫大、脾腫があり眼球結膜に黄染を認める。血液検査では肝細胞逸脱酵素の上昇と抗ミトコンドリア抗体陽性、IgM上昇を認めることから、原発性胆汁性胆管炎〈PBC〉の診断となる。
a 明らかな関連はない。
b 正しい。脂肪吸収が障害されることで、脂溶性ビタミンであるビタミンDが低下するため、骨粗鬆症のリスクとなる。
c 正しい。門脈圧の亢進により食道静脈瘤を合併しうる。
d PBCは潰瘍性大腸炎を合併しうるとの報告もある。絶対に否定はできないが、合併頻度の高いbとcに正解を譲る。
e 明らかな関連はない。

正答率:50%

テーマ:原発性胆汁性胆管炎〈PBC〉の合併症

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