101A22

32歳の女性。発作性の頭痛と動悸とを主訴に来院した。1年前の健康診断で高血圧を指摘されたため、毎朝、血圧測定をしている。通常120/80mmHg前後であるが、症状出現時には収縮期血圧が200mmHgのこともある。意識は清明。身長155cm、体重46kg。脈拍76/分、整。血圧138/74mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球410万、Hb 14.0g/dL、白血球7,800。血清生化学所見:尿素窒素18mg/dL、クレアチニン0.9mg/dL、TSH 3.2μU/mL(基準0.2~4.0)、アルドステロン6ng/dL(基準5~10)、血漿レニン活性2.0ng/mL/時間(基準1.2~2.5),アドレナリン120pg/mL(基準100以下)、ノルアドレナリン1,200pg/mL(基準100~450)。尿中VMA 9mg/日(基準1.3~5.1)。
検査として適切でないのはどれか。
腹部単純CT
腹部単純MRI
腹部超音波検査
腹部大動脈造影
副腎シンチグラフィ

解答: d

101A22の解説

中年女性の発作性の頭痛と動悸。血圧が高く、カテコラミン分泌亢進もみられている。褐色細胞腫が考えやすい。
a 腹部単純CTで副腎の腫瘍を描出可。
b 腹部単純MRIでも副腎腫瘍を精査することができる。
c 腹部超音波検査も迅速に副腎腫瘍をみつけることができる。
d 誤り。腹部大動脈造影検査はカテーテル等を用いて大動脈を造影する方法であり、血管瘤の描出や癌の検査・治療に用いる。褐色細胞腫に対して有用な検査ではなく、また、本疾患に対して造影検査は原則として禁忌である。
e 副腎シンチグラフィにて腫瘍部への集積をみる。

正答率:86%

テーマ:褐色細胞腫の検査

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