100I17

19歳の女性。口渇と倦怠感とを主訴に来院した。1年前の健康診断では異常を指摘されなかった。2週前に咽頭痛があり、39℃の発熱が2日続いた。1週前から口渇と倦怠感とが出現している。身長162cm、体重50kg。体温36.0℃。脈拍84/分、整。血圧108/74mmHg。甲状腺の腫大は認めない。尿所見:蛋白(-)、糖3+、ケトン体3+。血清生化学所見:空腹時血糖394mg/dL、HbA1c 7.2%(基準4.3~5.8)、総蛋白6.8g/dL、クレアチニン0.8mg/dL、総コレステロール184mg/dL。
治療方針決定に有用な検査はどれか。2つ選べ
FT4
抗核抗体
血清Cペプチド
動脈血ガス分析
経口ブドウ糖負荷試験

解答: c,d

100I17の解説

19歳女性の口渇と倦怠感。前駆する感染の後、尿糖3+、尿ケトン体3+、空腹時血糖394mg/dLとなっており、糖尿病性ケトアシドーシス〈DKA〉である。治療の初手は生理食塩水の大量投与と速効型インスリンの持続静注である。
a 甲状腺の腫大は認めておらず、甲状腺ホルモンを測定する必要はない。
b 膠原病を疑った際に測定する。
c 正しい。内因性のインスリン分泌能を血清Cペプチドで評価できる。
d 正しい。動脈血ガス分析にて代謝性アシドーシスであることが示される。
e 高血糖の患者に経口ブドウ糖負荷を行うのは自殺行為である。禁忌。

正答率:68%

テーマ:糖尿病の治療方針決定のための検査

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