100H6

3歳6か月の女児。低身長を主訴に来院した。在胎40週、2,930g、自然分娩で出生した。精神運動発達は順調である。身長83.8cm、体重11.8kg。骨年齢2歳6か月。成長曲線を別に示す。
低身長の原因として考えられるのはどれか。2つ選べ
クレチン症
慢性甲状腺炎
Turner症候群
下垂体近傍腫瘍
成長ホルモン分泌不全

解答: d,e

100H6の解説

低身長である3歳6か月の女児である。精神運動発達は順調であるも、骨年齢2歳6か月である。成長曲線にて1歳6か月頃より急に身長が伸びなくなっていることから、内分泌性の低身長であると推測できる。
a クレチン症(先天性甲状腺機能低下症)では出生直後より成長障害や精神運動発達遅滞を呈するため、本例では否定的である。
b 慢性甲状腺炎(橋本病)自体では低身長はないが、長期的には甲状腺機能低下症へと移行し低身長となるため、本例のみでは不正解とは言い切れない。
c Turner症候群では生後早期より低身長となるため考えにくい。
d 正しい。下垂体近傍腫瘍により副腎皮質ホルモン分泌増加や成長ホルモン分泌不全が生じることにより低身長となる。
e 正しい。成長ホルモン分泌不全により低身長となる。

正答率:54%

テーマ:低身長の鑑別

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