100H25

60歳の男性。全身倦怠感を主訴に来院した。30年前から高血圧を指摘されていたが放置していた。6か月前から疲れやすくなり、1か月前から全身倦怠感が出現した。身長167cm、体重62kg。脈拍80/分、整。血圧182/96mmHg。胸部に異常はなく、下腿に浮腫を認めない。尿所見:蛋白1+、糖(-)、潜血(-)、沈渣に異常を認めない。血清生化学所見:空腹時血糖90mg/dL、HbA1c 5.0%(基準4.3~5.8)、アルブミン3.0g/dL、尿素窒素36mg/dL、クレアチニン2.8mg/dL、総コレステロール200mg/dL、トリグリセライド98mg/dL、Na 145mEq/L、K 4.0mEq/L。
摂取を制限するのはどれか。2つ選べ
食塩
炭水化物
脂質
蛋白質

解答: b,e

100H25の解説

30年前から高血圧を放置した結果6か月前から疲れやすくなり、1か月前から全身倦怠感が出現した中年男性である。現在も182/96mmHgとIII度高血圧である。尿素窒素36mg/dl、クレアチニン2.8mg/dlと腎不全があり、長期的に持続した高血圧による慢性腎不全を考える。
a 水分調整がうまくいかない腎機能低下時に水分制限を行うと、脱水を引き起こすことがある。
b 正しい。高血圧に対し減塩指導は必要である。
c・d 低蛋白食となったぶんのエネルギー源として重要であり、増やすことはあっても制限することはない。
e 正しい。慢性腎不全に対しては腎機能保持のために蛋白質は制限する。

正答率:78%

テーマ:慢性腎臓病〈CKD〉(慢性腎不全)の食事療法

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