100F44

46歳の男性。手足のしびれと脱力とを主訴に来院した。32歳ころから両足趾にピリピリ感があり、便秘と下痢とを繰り返すようになった。39歳の時に湯たんぽで両足に熱傷を負ったが、熱さや痛みをほとんど感じず、このころから勃起障害を認めている。40歳ころから徐々に両下肢に力が入りにくく歩行が困難となり、手指の筋萎縮と感覚障害も進行している。最近は立つと失神することが多くなり、手足には暑い日でも汗をかかない。母親と兄とに同様の症状を認める。
正しいのはどれか。2つ選べ
伴性劣性遺伝する。
進行すると認知症を呈する。
血清中に異常蛋白を認める。
血漿交換が有効である。
肝移植が有効である。

解答: c,e

100F44の解説

中年男性の手足のしびれと脱力。温痛覚障害(「熱さや痛みをほとんど感じず」)と自律神経障害(「便秘と下痢とを繰り返す」「勃起障害」「立つと失神」「暑い日でも汗をかかない」)が前面にみられている。母親と兄とに同様の症状を認めることから遺伝性疾患であろう。あとは本疾患を知っているか否か、である。家族性アミロイドポリニューロパチーが最も考えやすい。
a 常染色体優性遺伝〈AD〉する。
b 認知症はみられない。
c 正しい。血清中に異常トランスサイレチンがみられる。
d 血漿交換は本疾患に一般には行われない。
e 正しい。根本治療として肝移植が行われている。

正答率:50%

テーマ:家族性アミロイドポリニューロパチー〈FAP〉について

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