100F29

45歳の女性。会社の健康診断で2年連続して肝障害を指摘され来院した。飲酒はしない。身長158cm、体重46kg。腹部所見に異常はなく、肝も触知しない。血清生化学所見:空腹時血糖86mg/dL、総蛋白7.6g/dL、AST 62U/L、ALT 106U/L、ALP 200U/L(基準260以下)、γ-GTP 35U/L(基準8~50)。
診断に有用な自己抗体はどれか。2つ選べ
抗核抗体
抗ENA抗体
抗Jo-1抗体
抗平滑筋抗体
抗ミトコンドリア抗体

解答: a,d

100F29の解説

飲酒歴のない若年女性の肝機能障害。ASTとALTの軽度上昇を認める反面、ALPとγ-GTPは基準値内。自己免疫性肝炎を疑う。
a・d 正しい。抗核抗体や抗平滑筋抗体は自己免疫性肝炎で陽性となる。
b 抗ENA抗体は全身性エリテマトーデス〈SLE〉、Sjögren症候群、混合性結合組織病〈MCTD〉などで上昇する。なお、自己免疫性肝炎ではSjögren病や橋本病を合併することもある。
 ※現在、抗ENA抗体は保険適用外となっており、一般には施行されない。
c 抗Jo-1抗体は多発性筋炎・皮膚筋炎で上昇する。
e 抗ミトコンドリア抗体は原発性胆汁性胆管炎〈PBC〉で上昇する。

正答率:61%

テーマ:自己免疫性肝炎〈AIH〉の診断に有用な自己抗体

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