100F11

62歳の男性。2週前から左眼の像のゆがみを自覚し、5日前から視力が低下したため来院した。視力は右1.2(矯正不能)、左0.04(矯正不能)である。このときの左眼の眼底写真を別に示す。
出血の原因はどれか。
毛様体新生血管
網膜毛細血管瘤
網膜細動脈瘤
網膜新生血管
脈絡膜新生血管

解答: e

100F11の解説

写真では、出血の上に網膜血管が確認できるためこの出血は網膜下出血と考えられる。
a 毛様体新生血管はVEGFが房水にのって毛様体にたどりついたときに生じる。本症例とは場所が異なる。なお、毛様体や虹彩へ新生血管が生じると血管新生緑内障へと移行するので注意が必要である。
b 単純糖尿病網膜症で認める所見である。毛細血管瘤は出血したとしてもわずかであり点状出血やしみ状出血となる。
c 動脈瘤単独で変視症はみられない。
d 網膜新生血管は糖尿病網膜症で認められる所見であるが、硝子体側へ伸びることが多く、出血すると硝子体出血となる。
e 脈絡膜新生血管は加齢黄斑変性で認められる。2週前から歪視を認めていたことも踏まえると本症例に最も合致する。

正答率:62%

テーマ:加齢黄斑変性症〈AMD〉の原因

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