100F10

12歳の男児。遷延する発熱を主訴に来院した。1歳時に心室中隔欠損症の根治術を受けたが残存短絡がある。2週前に扁桃摘出術を受けた。5日前から夕方になると39℃以上の発熱を認める。食思不振と嘔気とがある。体温38.2℃。呼吸数30/分。脈拍100/分、整。四肢に点状出血を認める。胸骨第3肋間左縁に2/6度の全収縮期雑音を聴取する。腹部は平坦、軟。肝を右肋骨弓下に3cm、脾を左肋骨弓下に3cm触れる。血液所見:赤沈68mm/1時間、赤血球352万、Hb 11.0g/dL、白血球22,000(桿状核好中球12%、分葉核好中球64%、好酸球3%、単球5%、リンパ球16%)、血小板12万。CRP 12.0mg/dL。
診断に必要な検査はどれか。2つ選べ
血液培養
大動脈造影
冠動脈造影
頭部単純CT
心エコー検査

解答: a,e

100F10の解説

遷延する発熱を主訴とする12歳男児。1歳時に心室中隔欠損症の根治術を受けたが残存短絡があるため、感染性心内膜炎〈IE〉の発生母地として考え得る。2週間前に扁桃摘出術を受け、5日前から発熱を認めていることから、扁桃摘出術により緑色連鎖球菌といった口腔内常在菌によるIEが強く疑われる。脾腫もIEに伴う所見として矛盾しない。
a 正しい。IEを疑う場合は2〜3か所から検体を採取する。
b 大動脈弁閉鎖不全症やValsalva洞動脈瘤破裂などで有用である。
c 虚血性心疾患が疑われる場合に行う。
d IEにより脳梗塞を合併することはあるが、現時点で麻痺や構音障害などは認めていないため不要。
e 正しい。心エコー検査で疣贅の有無などを確認する。

正答率:92%

テーマ:感染性心内膜炎〈IE〉の診断に必要な検査

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