100F9

50歳の女性。口腔内のびらんと体幹の水疱、びらんとを主訴に来院した。3か月前から口腔内に難治性のびらんが生じ、2か月前から体幹に水疱とびらんとを認めるようになった。入院後、副腎皮質ステロイド薬(1mg/kg/日)を2か月間投与したが効果がなかった。2週前から収縮期血圧230mmHg、空腹時血糖350mg/dLで、尿糖が強陽性となった。入院時の胸腹部の写真(A)と皮膚生検H-E染色標本(B)とを別に示す。
現時点での対応として適切なのはどれか。
血漿交換
PUVA療法
抗菌薬静注
レチノイド内服
副腎皮質ステロイド薬の即時投与中止

解答: a

100F9の解説

中年女性の口腔内びらんと体幹の水疱・びらん。Aでは一部破けてしまった弛緩性の水疱がみられ、Bでは表皮内の水疱が指摘できる。尋常性天疱瘡の診断。治療には副腎皮質ステロイド薬が有用であるが、本患者では無効のようだ。さらには血圧高値や血糖高値といった副作用もみられている。別の治療を考慮すべきタイミング。
a 正しい。難治性の尋常性天疱瘡には血漿交換が有効。
b PUVA療法は尋常性乾癬などに有効。
c 抗菌薬静注は細菌感染に有効。
d レチノイド内服は尋常性乾癬などに有効。
e 副腎皮質ステロイド薬の即時投与中止は副腎クリーゼをきたしかねないため、禁忌。

正答率:64%

テーマ:ステロイド無効の尋常性天疱瘡の治療

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