100D23

82歳の女性。直腸癌で入院したが、肝、肺および骨への転移があり、病名を知った本人の強い希望で退院した。在宅で療養し、自宅で最期を迎えることを希望している。86歳の夫との二人暮らしである。夫は妻の病名を知っており、強い不安を感じている。夫は妻のそばにいたいと考えているが、妻の死を受け入れることができていない。疼痛に対して医師の往診で塩酸モルヒネ徐放錠の服薬指導を受けているほか、訪問看護サービスと医師に紹介されたボランティアの訪問とを受けている。患者は2週前からはほぼ寝たきりでトイレへも行けず、少量の流動食をとるだけである。数日前から衰弱が激しく、呼吸困難が出現し、意識も混濁してきた。
在宅医療を担当する医師の対応として適切なのはどれか。
再入院の説得
抗癌化学療法の開始
気管挿管
安楽死の助言
夫への精神的ケア

解答: e

100D23の解説

直腸癌で入院していた82歳の女性。肝、肺および骨への転移がみつかり、病名を知った本人の希望で退院した。患者は2週前からはほぼ寝たきりでトイレへも行けず、少量の流動食をとるだけである。数日前から衰弱が激しく、呼吸困難が出現し意識も混濁してきたため、在宅医療を担当する医師としての対応が問われている。
a~c 在宅で療養し、自宅で最期を迎えることを希望しているため、再入院は不適であり、延命治療ではなく緩和医療を優先するべきである。
d 現時点で、我が国において安楽死は認められていない。
e 正しい。二人暮らしの夫は妻の病名を知っており、強い不安を感じていることから、夫への精神的ケアは重要である。

正答率:94%

テーマ:在宅医療を担当する医師の対応

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