100A54

30歳の女性。無月経を主訴に来院した。3年前から月経が不順となり、その後無月経となった。また、このころから前頸部の腫れを自覚するようになった。3か月前から、全身倦怠感と手指の関節痛とが出現している。身長155cm、体重45kg。脈拍68/分、整。血圧112/72mmHg。前頸部にびまん性に軽度腫大した甲状腺を触知する。手指に軽度の浮腫を認める。血液所見:赤血球445万、Hb 14.0g/dL、Ht 41%、白血球4,000。血清生化学所見:総コレステロール218mg/dL、AST 16U/L、ALT 10U/L、TSH 10.5μU/mL(基準0.2~4.0)、FT4 0.7ng/dL(基準0.8~2.2)、プロラクチン80ng/mL(基準30以下)。尿妊娠反応陰性。
この患者にみられるのはどれか。
振戦
発汗
下痢
乳汁漏出
髄膜刺激症状

解答: d

100A54の解説

3年前から月経が不順となり、その後無月経となった30歳の女性である。プロラクチン高値、尿妊娠反応陰性より、高プロラクチン血症による無月経が考えられる。また、全身倦怠感と手指の関節痛とが出現し、前頸部にびまん性に軽度腫大した甲状腺を触知することからは甲状腺機能異常が示唆される。TSH高値 、FT4低値であり甲状腺機能低下症が考えられ、フィードバックにてTRHが高値となり、高プロラクチン血症となったのであろう。
a~c 甲状腺機能亢進症にてみられる症候である。
d 正しい。プロラクチン高値により乳汁漏出が生じる。
e 発熱や炎症反応もなく、髄膜炎とは臨床像が異なる。

正答率:91%

テーマ:高プロラクチン血症の症候

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