100A13

24歳の男性。1か月前に左眼に野球のボールが当たり、複視が消失しないため来院した。眼球上転時の眼部の写真を別に示す。
考えられるのはどれか。
眼窩出血
動眼神経麻痺
吹き抜け骨折
視神経管骨折
上眼瞼挙筋断裂

解答: c

100A13の解説

写真から、左眼に上転障害を認める。眼球運動障害のため複視が生じており、典型的な眼窩底骨折である。
a 眼窩出血がどの部位の出血のことを指しているのか不明であるが、この選択肢の中で最も考えられるものではない。
b 動眼神経が支配するのは上直筋、下直筋、内側直筋、下斜筋なので上転・下転・内転に障害が出る。また、外斜視、散瞳、眼瞼下垂などが認められるはずだが本症例では一致しない。
c 正しい。眼窩底骨折が生じ、眼球周囲の脂肪組織が嵌頓したため上転時にひっかかりがあると考えられる。
d 視神経管骨折を含む外傷性の視神経症は眉毛部外側の外傷で生じることが多い。対光反射の消失や相対的瞳孔求心路障害がみられる。
e 上眼瞼挙筋はその名の通り上眼瞼を持ち上げる働きがある。よって症状は眼瞼下垂となるはずである。

正答率:94%

テーマ:眼窩吹き抜け骨折の診断

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