eの選択肢のビタミンD摂取が“有効”という点からは誤り、またcの選択肢が明らかに正しいということは理解できているのですが、 解説での尿中Caの増加が引っかかっております。
ビタミンDは、腸管におけるCa吸収促進・骨からのCa放出促進・腎でのCa排泄抑制のの3点から血中Caを上昇させるものだと勉強したため、本問でも尿中への排泄は抑制されうる、ないしは尿中Ca上昇まではいかないのでは?と考えてしまいました。
考えすぎだとは思うのですが、次回ビタミンDに関する問題が出たときに引っかかりそうだなと思い投稿させていただきました。
ご教授いただけますと幸いです。
程度の問題ではないでしょうか。
①腸管におけるCa吸収促進
②骨からのCa放出促進
③腎でのCa排泄抑制
のうち、③が強烈に効いてくれば、もちろん尿中Caは減少するでしょうが、①②の影響もあり、これらの綱引き・シーソーゲームでCaが規定されます。
一般的に言って血中Caが上昇すれば(③で大きく代償をしない限り)、尿中Caもupします。
・活性型VitDは"血中"Ca濃度を上げるが、作用の一つに「尿中排泄の抑制」がある。
・活性型VitDで"血中"Caは上がっても、"尿中"Caも上がるとシンプルに考えてもよいのか?
ということかとお見受けします。
私もしばしば不安になる範囲ですので、病見えと睨めっこして考えてみました。
以下の思考過程が参考になれば幸いです。
スタート : "血中"Ca値正常の成人へVitDを投与した時、"尿中"Caはどう変化するのか?
前提 : 活性型VitD投与 → "血中"Ca濃度が上昇
・Caは神経や筋において重要 → 代償機構、フィードバックが鋭敏に働くと考えることにします。
①代償変化/フィードバックで"血中"Caを結局"尿中"排泄するよ説
・PTHは投与したVitDに抑制される → PTH由来のCa再吸収が減少、ついでに血中Pが上がりそう
・"血中"Ca濃度上昇状態 → 更にPTH抑制 → 体内でのVitD活性化も抑制される
→ トータルでCa再吸収は抑制されそう
結論 : "血中"Ca濃度を戻すために、腎臓が増分を排泄しようとする。結果として"尿中"Caが上がる。
②シンプル"血中""尿中"Ca相関説
・尿産生の過程で、基本的にミネラルは「血液をろ過&再吸収して血中のX%を排泄する」="尿中"には出ちゃう(0ではない)し、それは血液から割合でひっぱってくることになる。
・正常では、"血中"遊離Caの0.5~3%が尿中に排泄される(病見え曰く)。
→ 尿濃縮の範囲幅はあれど、"血中"Ca濃度が高ければ"尿中"Ca排泄量は増えうる。
結論 : 濃縮にて代償しうるだろうが、基本は"血中"Caと"尿中"Caに相関があると考えてもよさそう。
③まとめ
・活性化VitDの役割は、わだこー さんの学んだ通りで◎
・今回の問題では、VitDの作用云々より手前の、「今Ca正常なのに、活性化VitDで血中Ca増やしたら排泄も増えちゃうじゃん!」くらいでよさそう。
とはいえ調べるうちに、「VitD中毒患者の検査所見には、必ずしも尿中Ca排泄上昇があるわけではない(参考の表6より)」と読めそうな記載も見かけましたので、オーバーワークのふもとにいそうな気配がします。患者さんの今のCaがどうか以外にも、腎機能障害はあるかなど、設定次第でまた変わってくるのではないでしょうか。
学びなおしの機会をありがとうございました。
参考 : https://jsn.or.jp/journal/document/50_2/091-096.pdf
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46歳の女性。本日未明、左の側腹部から背部にかけての激しい痛みを主訴に来院した。3年前にも同様の症状があったが、自然軽快した。家族歴に特記すべきことはない。意識は清明。身長158cm、体重58kg。体温36.3℃。脈拍80/分、整。血圧122/86mmHg。呼吸数20/分。顔色は蒼白で悪心を訴える。腹部は平坦で、反跳痛を認めない。左の肋骨脊柱角に叩打痛を認める。尿所見:蛋白(−)、糖(−)、ケトン体(−)、潜血+、沈渣に赤血球10~19/HPF、白血球1~4/HPFを認める。血液所見:赤血球434万、Hb 13.8g/dL、Ht 42%、白血球9,600、血小板21万。血液生化学所見:総蛋白7.0g/dL、アルブミン3.8g/dL、総ビリルビン0.9mg/dL、AST 30U/L、ALT 28U/L、LD 179U/L(基準120~245)、尿素窒素20mg/dL、クレアチニン1.0mg/dL、尿酸6.6mg/dL、血糖98mg/dL、Na 139mEq/L、K 4.2mEq/L、Cl 98mEq/L、Ca 9.1mg/dL。腹部エックス線写真(臥位)を別に示す。
この患者への再発予防に関する説明で適切なのはどれか。