この症例の解説で、「湿性咳嗽およびcoarse cracklesは肺水腫の所見である」と述べられていたと思うのですが、湿性咳嗽を起こす疾患(つまり膿がたまる疾患)では肺水腫をきたす、という理解でよいのでしょうか。また、本症例で肺水腫が生じた原因は、テキストの「6-4 肺水腫」の<肺水腫の原因>の中だとどれに該当するのでしょうか。ご回答いただけるとありがたいです。
>湿性咳嗽を起こす疾患(つまり膿がたまる疾患)では肺水腫をきたす、という理解でよいのでしょうか。
↑こちらの質問と似ていますが、関連あることが多いも、100%必要十分ではないです。
>テキストの「6-4 肺水腫」の<肺水腫の原因>の中だとどれに該当するのでしょうか
↑「非心原性」に分類されます。気管支内貯留液が原因となっているわけで、心不全が原因となっているわけではないためです。
>湿性咳嗽を起こすのに肺水腫とならないのは病態的にどういう理由なんだ?
↑これならよい質問ですね!
ここまでたどり着ければ、「湿性咳嗽をきたす疾患一覧」を調べて、肺水腫以外をピックアップすればよいことになります。
http://www.kubix.co.jp/cough/c_doctor.html
↑こちら表1の「湿性咳嗽」が参考になると思います。
もうお分かりかと思いますが、「湿性咳嗽→肺胞に膿たまる→肺水腫」が変なのですね。別に喉のあたりに水が溜まっているだけでも湿性咳嗽になるわけで、「湿性咳嗽→肺胞に〜」が限定的であるため、このように矢印でつないで覚えるべきではありません。
難しく考えず、「気道内に何かしら水っぽいものがあったら、咳をしたときにその水っぽいものが一緒に出てくるから湿った咳になる」と捉えれば良いのです。この理解なら、喉に水があっても、気管に水があっても、肺胞に水があっても、いやそれが水であっても膿性であっても血性であっても、湿性咳嗽は出うると導けます。
質問のエッセンスを抽出して形を少し変えただけで非常に有意義なディスカッションとなりました。
今後も医学に限らず、自身の漠然とした思考を誰に対してもわかりやすく言語化する練習を続けてみて下さい。
「自分は何が分かっていないのか」を分かるようになること、そしてそれを他者に伝達できるように分かりやすく変換すること、が学力向上には重要だと思います。
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