102A50

58歳の女性。呼吸困難を主訴に来院した。若いころから運動時の息切れがあった。呼吸困難は少しずつ増強している。湿性咳嗽を認める。意識は清明。体温36.7℃。脈拍88/分、整。血圧120/68mmHg。心音に異常を認めない。胸部両側にcoarse cracklesを聴取する。血液所見:赤血球429万、Hb 12.9g/dL、Ht 39%、白血球9,600。CRP 2.1mg/dL。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH 7.45、PaO2 59Torr、PaCO2 45Torr。胸部エックス線写真(A)と胸部単純CT(B)とを別に示す。
考えられるのはどれか。
肺気腫
肺線維症
気管支拡張症
癌性リンパ管症
肺リンパ管筋腫症

解答: c

102A50の解説

呼吸困難を主訴とする58歳女性。胸部エックス線写真(A)では両側中下肺野で透過性の低下を認めている。胸部単純CT(B)では気管支拡張像を認めることから気管支拡張症と診断できる。
a 肺気腫の場合は胸部エックス線写真では肺野の透過性亢進をみる。
b 肺線維症は聴診でfine cracklesを認める。
c 正しい。上述の通り。
d 癌性リンパ管症で気管支拡張像はみない。
e 肺リンパ管筋腫症は若年女性に多く、繰り返す気胸などが特徴的。

正答率:86%

テーマ:気管支拡張症の診断

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