画像Bは、蜂巣肺として講義内で解説されていますが、気管支拡張様所見の方が目に飛び込んでくる印象です。
chap4.1の気管支拡張症の原因に、間質性肺炎は含まれていませんが、間質性肺炎も気管支拡張症の原因になりえるのでしょうか。
間質性肺炎で見られるのは「牽引性気管支拡張」像です。
これは肺の線維化によって、気管支が周りの組織から「引っ張られて」拡張しているように見える所見で、病態の主座は気管支ではありません。
気管支拡張症が認められる、鑑別疾患については下の記事がわかりやすかったです。参考になさってみてください。
https://www.igaku-shoin.co.jp/paper/archive/y2018/PA03276_05
「種々の原因により気管支が拡張した状態」という記載からは、ご指摘の通り「気管支拡張症の原因には間質性肺炎が含まれる」で問題ないと思われますが、一般に「気管支拡張症」というと、DPBや副鼻腔気管支症候群といったような病態の主座が気管支にある病気を指し、間質性肺炎で認められる「牽引性気管支拡張像」とは区別している印象です。
心原性肺水腫とARDSが胸部X線では肺野がどちらも同じ所見を示すのに対して、病態が全く異なるのと同じです。「病態」と「所見」を混同しないように気をつけましょう。
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