この症例ではコントロールのよい糖尿病であり、インスリン治療までするのは必要ないとのことでした。
経口糖尿病薬はCKDにはあまり使いたくない薬剤であり、今回はどうなのか考えました。
58歳男性で、クレアチニン 0.9 mg/dL より、eGFRが67.9 (G2) で、蛋白尿が3+であることから、CKDステージがIIIとなります。
低血糖症状はなさそうだが、予防的にインスリン治療を開始するということはあるでしょうか?
eGFR67.9ならまだビグアナイドを控えるほどでもないかと思います。
蛋白尿はARB使えば下がってくるので改善しうるCKDステージで治療薬が制限されてしまうのもどうかと思います。
基本的には低血糖があるならまずは薬物の減量もしくは低血糖を起こしにくい経口薬への変更から始めるべきで、いきなりインスリンに切り替えようとはならないと思います。
経口血糖降下薬を使用、コントロールできなければインスリンの使用というのが腎臓が良くても悪くても基本となります。(血糖が高すぎて糖毒性がありそうな場合はインスリン強化療法から入ることもありますが・・・)
ビグアナイドやピオグリタゾンなどは一般的なCKD患者では使わない方が無難と思いますが、この症例ではSGLT2などはむしろ積極的に使用すべきだと思います。メトグルコについても添付文書上の禁忌はeGFR30以下となっているのでこの症例でも使用は可能だと思います。
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