解決済 113C26 06.呼吸器

β2刺激薬の吸入とCOPD

お世話になっております。
本症例は、COPD患者における対応が求められ、選択肢eは喘息の治療であるため今回の正答となるのは理解しました。
しかしながら、本文にある「β2刺激薬の吸入で1秒率低下の改善を認めなかった」は、気管支喘息の否定となるだけでなく、COPDの否定ともなってしまうように感じたのですが、いかがでしょうか。COPD急性増悪の治療として、長時間作用型β2刺激薬の吸入を用いると覚えていたため、急性増悪でなくとも、通常のCOPDで1秒率は改善されるように思いました。
よろしくお願いします。

回答2件

  • いわゆる気管支喘息は1型アレルギー機序によって気道平滑筋の攣縮が生じ、そのために気道閉塞症状が可逆性におこる病態です。
    一方COPDはタバコ煙などの長期間にわたる吸引により生じる不可逆的な炎症性疾患であるため、短時間作用型β2刺激薬(SABA)の吸入では気管支喘息に比べると一秒率が改善しにくいのだと思います。
    もちろん、COPDでもある程度はSABAによって一秒率の改善が見られることはあるはずなので、確定診断にはなりえないと思います。あくまでも「気管支喘息の可能性が高い」程度にとどまるはずです。

    詳しくは「気道可逆性試験」で検索していただくか、下記URLが参考になりそうでしたのでご確認下さい。
    https://pulmonary.exblog.jp/23494072/

  • 短時間作用型β2刺激薬吸入も、COPDでの気管支拡張作用はみられるが、気道の可逆性と不可逆性の違いから、気管支喘息ほどではないということですね。
    参考URLも拝見させて頂きました。そもそも「β2刺激薬の吸入で1秒率低下の改善」を狙う検査は、気管支喘息を疑ったときに行うものだということで腑に落ちました。
    大変勉強になりました。ありがとうございました。

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  • 問題参照 113C26

    70歳の男性。労作時の呼吸困難を主訴に来院した。10年前から労作時の呼吸困難を自覚していたが、徐々に増強したため受診した。喘鳴の自覚はない。喫煙は40本/日を50年間。脈拍72/分、整。血圧128/74mmHg。呼吸数16/分。心音と呼吸音とに異常を認めない。呼吸機能検査では1秒率の低下を認め、β2刺激薬の吸入で1秒率低下の改善を認めなかった。胸部エックス線写真(A)及び胸部CT(B)を別に示す。

    対応として適切でないのはどれか。

    • a 禁煙指導
    • b 23価肺炎球菌ワクチン接種
    • c インフルエンザワクチン接種
    • d 長時間作用性抗コリン薬投与
    • e ロイコトリエン受容体拮抗薬投与
  • 関連トピック

    なし