聞いたことない知識であったので少し調べてみたのですが、確かに色々な記載があり紛らわしいですね。
日本産婦人科医会が、2010年1月~2017年6月までの妊産婦死亡277例を集計した資料によれば、
妊産婦死亡の単一原因として最多なのは「産科危機的出血」(23%)、2位が「脳出血脳梗塞」(15%)、3位が「肺虚脱型(古典的)羊水塞栓」(13%)らしいです。なお、「産科危機的出血」のうち約半数の49%は「子宮型(DIC先行型)羊水塞栓」によって生じたものらしく、先の「肺虚脱型(古典的)羊水塞栓」と併せると、原因疾患として最多になるのは「羊水塞栓症」(全死因の24.9%)になるとのこと。
以上を踏まえると、出血も羊水塞栓も妊産婦死亡原因の1位と言って間違いないようですが、両方選択肢にあったら困りますね……単一原因なら出血、原因疾患なら羊水塞栓、ニュアンスを読み取って答える感じでしょうか?
参考:「母体安全への提言 2016 Vol.7(日本産婦人科医会 平成29年9月7日改訂版)」 11ページ
※厚生労働省の母子保健統計上の妊産婦死亡と同等数の死亡が報告され集計の対象とされているようなので、信頼できる資料かと
☞http://www.jaog.or.jp/wp/wp-content/uploads/2017/08/botai_2016.pdf
113C-07を受けて、質問が多そうですので上げておきます。
統計の方法はいろいろあり、今回は↑の言葉を借りるなら「単一原因」の方が問われています。
また、113C-07-eではあえて「心肺虚脱型」と断りを入れてあり、その観点からも↑の議論通り、細かな分類のものを選ぶな、という出題者の意図を感じました(eを単に羊水塞栓症と示したら正答となってしまう可能性があるため)。
長々とよくわかりませんが、
原因の1位は産科的危機的出血。
産科的危機的出血の原因疾患として最多なのは羊水塞栓症です。
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