解決済 111A50 14.整形外科

腸腰筋膿瘍での股関節伸展による激痛

腸腰筋は股関節の屈曲に作用する筋肉と記憶しているのですが、なぜ本問では股関節の"伸展"ができないのでしょうか。また他の解説書に「股関節を屈曲させたままの肢位となり伸展で激痛となるのは腸腰筋膿瘍に特徴的な臨床症状である」との記載がありました。
腸腰筋に炎症があれば屈曲するときに痛みそうなものだなと思うのですが...。
急性虫垂炎の際の腸腰筋徴候でも大腿を背側に伸ばす際に痛みがあり、きっと機序は同じなのであろうと思いつつこちらもなぜなのか分かりません。
もしよろしければどなたかご教授いただけますと幸いです。

回答1件

  • 筋肉は伸長する際にも痛みを感じます。ストレッチを限界まで行うと痛みを感じることからも想像しやすいと思います。

    また、股関節屈曲位は腸腰筋が短縮している肢位ですが、腸腰筋が持続的に収縮しているわけではありません。腸腰筋徴候は他動での伸展もしくは自動での屈曲で痛みが増強するものですので、屈曲運動時にも痛みは生じるのだと思います。

    機序としては、炎症により侵害受容器の閾値が下がり、わずかな機械的刺激でも痛みとして感じてしまうことが考えられています。

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  • 問題参照 111A50

    42歳の男性。自力で動けなくなったため救急車で搬入された。2週間前から腰痛が増悪し、今朝から動けなくなった。2年前から定職に就かず路上生活を送っているという。意識は清明。体温37.2℃。心拍数88/分、整。血圧130/78mmHg。呼吸数20/分。SpO2 98%(room air)。疼痛のため、左股関節を伸展できず、仰臥位になることもできない。両下肢に明らかな筋力低下を認めない。腱反射に異常を認めない。赤沈45mm/1時間。血液所見:Hb 13.2g/dL、白血球9,000。CRP 3.4mg/dL。搬入時の腰椎エックス線写真(A)と右半側臥位での腰椎造影MRI(B)及び入院3日目の仰臥位での腰椎MRIのT2強調像(C)とを別に示す。

    治療方針を決定するために有用なのはどれか。

    • a 尿培養
    • b FDG-PET
    • c 腸腰筋穿刺
    • d 腫瘍マーカー測定
    • e 骨シンチグラフイ
  • 関連トピック

    なし