[https://www.jstage.jst.go.jp/article/jacsurg/26/6/26673/pdf]
上記の症例報告は急速に増大した過誤腫として取り上げていますが、それでも9ヶ月で10mm以下の増大です。
レポート内考察にあるように、過誤腫の多くは年〜10年単位で増大していくことが多いようです。
以上のことから1年間で急に増大した本問の場合、増大スピードという観点から
過誤腫にくらべて悪性腫瘍の方が可能性は高いのではないかと考えられます。
ご参考までにしてみてください。
*上手くリンクがつけられないので「比較的急速に増大した肺過誤腫の1例」と検索して出てくるpdfを参照してみてくださいm( )m
南山堂医学大辞典(20版)によると、
過誤腫は「真の意味の腫瘍あるいは新生物というよりはむしろ組織奇形というべきもので、組織構成分の混合の異常、組織の先天性迷入、および本来は退縮すべき組織の遺残が腫瘤を形成したもの」だそうです。
またSTEP内科(4)腎・呼吸器(第3版)には
「過誤腫は組織奇形の一種で、その臓器にもともと存在する正常組織成分が入り混じって過剰に発育した病変」で「宿主の成長に応じて成長」するようです。
つまり、過誤腫は生まれつき存在するもので、徐々に大きくなっていき、(ある程度大きくなると)偶然発見される腫瘤(※腫瘍ではない)と言えます。
103I45には「昨年の健康診断では胸部エックス線写真の異常を指摘されていない」と書いてあるので、過誤腫は考えにくく、新規の腫瘍性病変と考えると、転移性肺癌や原発性肺癌が鑑別に上がるのだと思います。
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