解決済 109C23 12.小児科

腸重積の治療

111d30で、血便という理由で浣腸の必要はないということでした。(この症例ではショック状態なので緊急手術になるのは納得できます。)
一方、109c23で「イチゴジャム状の便(血便?)」がみられる状態で浣腸が正解になっています。ショック状態に陥っておらず、血便を認める場合、本当に高圧浣腸をして大丈夫なんでしょうか?

回答3件

  • 腸重積の治療として、まず非観血的整復(高圧浣腸)があります。そして、発症から長時間(壊死が疑われる)あるいは腹膜炎に至っているような状況では観血的整復(手術: Hutchinson手技)を行います。

    このように考えれば、109C23111D30の対処に違いが生じることは妥当だと考えられます。

  • <答え>穿孔などきたしておらず、この場合は高圧浣腸で大丈夫です。
    高圧浣腸で無理だったらオペになります。

    小児外科で留学していました。
    腸重積では、イチゴジャム状の便が見られます。赤いのは血液の色です。
    絞扼性イレウスにより、血液還流が障害されて腸管のうっ血と虚血をきたし出血に至ります。(国試いらない知識)
    なので、イチゴジャム状の便はほぼすべての患者さんで出てました。
    そして、勝手に治っちゃう例がたまにありますが、基本高圧浣腸いってました。(詳しくはガイドライン参照)

    高圧浣腸では造影剤を使う整復方法と空気を使う整復方法があります。私は、空気で治すほうを国内外でよく見ました。ざっくりいうと肛門にチューブを差し込んで、空気を送り込むという一見すると野蛮な治療法です笑
    80~120mmHgの圧を送り込みます。あんまり圧が高いと穿孔するので注意です。

    ロタワクチンのあとにも起こりやすいので、ロタの検査も忘れずに行ってください。なお、ロタワクチンとの関係性はないという論文もあって海外ではやってないことが多いみたいですが、日本国内の施設はだいたいロタの検査してました。
    あと、脱水で死なないように気を付けてください。

    詳しく知りたい方へ↓ガイドライン貼っておきます。
    http://www.convention-axcess.com/jsep/doc/annai/20121017_Guideline.pdf

    フローチャート(英文)
    https://www.rch.org.au/clinicalguide/guideline_index/Intussusception_flowchart/

  • お二方とも丁寧にお答えいただきありがとうございました。

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  • 問題参照 109C23

    1歳の女児。夕方にイチゴジャム様の便を認めたため母親に連れられて来院した。今朝から嘔吐を数回認め、間欠的に機嫌が悪かった。身長75cm、体重8.8kg。体温37.0℃。脈拍108/分、整。
    SpO2 96%(room air)。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟であるが、臍部右横に5cm大の軟らかい腫瘤を触知する。腹部超音波像を別に示す。
    患者の家族への説明として正しいのはどれか。
    • a 「抗菌薬を処方します」
    • b 「鎮痛薬をお尻に入れます」
    • c 「制吐薬をお尻に入れます」
    • d 「すぐに開腹手術が必要です」
    • e 「圧をかけた浣腸による整復が必要です」
  • 関連トピック

    なし