解決済 105E62 10.神経

重症筋無力症クリーゼ

突然申し訳ありません。新しいシリーズ『神経)に出てくる問題です。eが禁忌なので絶対に答えがeだということはわかるのですが、重症筋無力症クリーゼの場合コリン作動性とMGの増悪という2つのパターンが考えられると思います。
今回は後者だと思ったのですがもしdの抗コリンエステラーゼ阻害薬を使った場合病態が良くなると解説には書いてあったのですがさらにコリン作動性のMGクリーゼとなり病態が悪化することは考えられないのでしょうか?
それともこの場合はエドロホニウムのような短時間作用型を使うということ意味なのでしょうか?勉強不足で申し訳ありませんがお答えしていただけると嬉しいです。

回答6件

  • 非常に注意深く問題に取り組まれていらっしゃったので、私自身も勉強になりました。

    おっしゃられたとおり、MGの治療に使うChE阻害薬でコリン作動性MGクリーゼは起こる可能性があります。

    本問のポイントは、「未治療のMGか、否か」に尽きるのだと思います。
    ・3ヶ月前からの既往で、未治療のMGを想起させられる。
    ・既往歴に虫垂炎しかない。
    →もし、コリン作動性薬によるクリーゼならば、既往歴にMGがあり、すでに治療しつつ、抗ChE阻害薬を誤って大量に飲んだなどの記載があるのでは?と考えられる。
    ・現病歴に服薬歴として、「ChE阻害薬を〜ヶ月前から服用中」などの記載もない。
    というところで、素直に、私は、「未治療MGのクリーゼ」と判断しました。

    近年の国家試験もトリッキーな問題が減っている上、
    条件付きで問題提起する際は、「白々しく・わかりやすく条件を記載する」と考えられるので、
    仮に、コリン作動性クリーゼを問いたい場合、「MGだったが、コンプライアンスが悪い or 誤って 大量に服用」のような記載があるのではないかな?と考えられます。
    (他の理由で、ChE阻害薬を飲むとしたら、緑内障の治療で使うくらいか、非脱分極性筋弛緩薬くらいしか、国試史上ないので、外来で来る患者としても不適切かなと思います。)

    何かの参考になれば幸いです。

    • 返信遅くなり申し訳ありませんでした自分も91F-37を解いてみようと思います。確かに今回の場合未治療のMGと判断できますね。本当に返信ありがとうございました

  • お疲れさまです。6年次の学生です。
    カーリー様がおっしゃる通り病態生理的には「コリン作動性クリーゼ」の可能性もなくはないのかな、、と思い少し考えてみました。

    今回の症例は既に清元佑紀様が述べられている通り、現病歴や既往歴にMGの治療歴がないことから「未治療のMG」と考えられ、症状からは「MGの急性増悪」が強く疑われます。
    さらに本問では病態把握として連問中2問目にエドロホニウムテストを行う記載もあります。このエドロホニウムテストで症状が改善すれば「MGの急性増悪」と確定でき、仮に症状が悪化したならば「コリン作動性クリーゼ」と判断することになるかと思います。
    テストの結果は残念ながら本文に記載はありませんので究極的にはどちらかの判断はつきませんが、ほぼ確定で「未治療のMG」からの「MGの増悪」と考えられます。治療としてはエドロホニウムではなく長時間作用型の抗ChE薬や副腎皮質ステロイドが考慮されるはずです。

    「MG治療中のコリン作動性クリーゼ」について少し復習がてら調べた際に、名古屋市立大学大学院 医学研究科 腫瘍・免疫外科学のサイトにクリーゼについての記載がありましたので一部引用してご紹介します。

    クリーゼになるような患者はすでに抗コリンエステラーゼ剤は3錠程度、多い人は4-5錠はいっていることが多い。これ以上増量するのは、cholinergicとなりかえって危険なことがある。テンシロンテストはもしこれで増悪すればcholinergicとの診断がつき、治療方針が決まる(抗コリンエステラーゼ剤を中止し、パルスを考慮)がもしテンシロンテストでよくなっても、抗コリンエステラーゼ剤の治療域がかなり狭くなっており増量には慎重な方がよい。
    http://www.med.nagoya-cu.ac.jp/mammal.dir/mg/page12.html#7

    また、医師国家試験においては 91F-37 などで出題されていました。お時間があればご確認ください。

    • 連問での、試験を踏まえればなおのこと、未治療のMGであることが確実に読み取れますね。
      また、「MG治療中のコリン作動性クリーゼ」については、自分も十分に文献や調査ができなかった部分がありましたので非常に学びになりました。

      医師国家試験においては 91F-37も解かせていただきました。
      自分もまだ未チェックの問題でしたのでこのように出題されるのか、と勉強になりました。
      (この問題では、治療を前提にテンシロンテストでの換気量の低下で効果を計るのがポイントなんですね。勉強になります。)

      蛇足で、付け足しの疑問を呈することになって恐縮なのですが、
      この問題自体、クリーゼでまず治療として「気管挿管人工呼吸」をファーストで行うことは理解できました。
      が、QBの解説によれば
      アトロピン→呼吸管理の次に有用
      ステロイド→Cholinergic crisisによる呼吸不全に対しては,ステロイド薬の有用性は認められない
      との書き方がなされていました。
      「2019年現在果たして、コリン作動性クリーゼにステロイドパルスは効くのだろうか?」について、疑問が残りました。
      (この問題もすでに20年くらい前の問題なので、時代と共に治療方針は変わっているかもしれません。論文で最新知見を調べてご返信させていただくべきと思ったのですが、直前期ということもあり今回は控えさせていただきます。)
      ・通常のMGクリーゼでステロイドパルスする
      に比べて、
      ・コリン作動性クリーゼでは、アトロピン>ステロイドパルス
      というのが、国試的には正解なのかもしれません。

      たくさん勉強させていただきました。ありがとうございました。

  • 非常によく分かりました皆さん本当にありがとうございました

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  • 問題参照 105E62

    この疾患で投与すべきでないのはどれか。
    • a 免疫抑制薬
    • b ガンマグロブリン
    • c 副腎皮質ステロイド
    • d 抗コリンエステラーゼ薬
    • e アミノグリコシド系抗菌薬
  • 関連トピック

    なし