突然申し訳ありません。新しいシリーズ『神経)に出てくる問題です。eが禁忌なので絶対に答えがeだということはわかるのですが、重症筋無力症クリーゼの場合コリン作動性とMGの増悪という2つのパターンが考えられると思います。
今回は後者だと思ったのですがもしdの抗コリンエステラーゼ阻害薬を使った場合病態が良くなると解説には書いてあったのですがさらにコリン作動性のMGクリーゼとなり病態が悪化することは考えられないのでしょうか?
それともこの場合はエドロホニウムのような短時間作用型を使うということ意味なのでしょうか?勉強不足で申し訳ありませんがお答えしていただけると嬉しいです。
非常に注意深く問題に取り組まれていらっしゃったので、私自身も勉強になりました。
おっしゃられたとおり、MGの治療に使うChE阻害薬でコリン作動性MGクリーゼは起こる可能性があります。
本問のポイントは、「未治療のMGか、否か」に尽きるのだと思います。
・3ヶ月前からの既往で、未治療のMGを想起させられる。
・既往歴に虫垂炎しかない。
→もし、コリン作動性薬によるクリーゼならば、既往歴にMGがあり、すでに治療しつつ、抗ChE阻害薬を誤って大量に飲んだなどの記載があるのでは?と考えられる。
・現病歴に服薬歴として、「ChE阻害薬を〜ヶ月前から服用中」などの記載もない。
というところで、素直に、私は、「未治療MGのクリーゼ」と判断しました。
近年の国家試験もトリッキーな問題が減っている上、
条件付きで問題提起する際は、「白々しく・わかりやすく条件を記載する」と考えられるので、
仮に、コリン作動性クリーゼを問いたい場合、「MGだったが、コンプライアンスが悪い or 誤って 大量に服用」のような記載があるのではないかな?と考えられます。
(他の理由で、ChE阻害薬を飲むとしたら、緑内障の治療で使うくらいか、非脱分極性筋弛緩薬くらいしか、国試史上ないので、外来で来る患者としても不適切かなと思います。)
何かの参考になれば幸いです。
。
お疲れさまです。6年次の学生です。
カーリー様がおっしゃる通り病態生理的には「コリン作動性クリーゼ」の可能性もなくはないのかな、、と思い少し考えてみました。
今回の症例は既に清元佑紀様が述べられている通り、現病歴や既往歴にMGの治療歴がないことから「未治療のMG」と考えられ、症状からは「MGの急性増悪」が強く疑われます。
さらに本問では病態把握として連問中2問目にエドロホニウムテストを行う記載もあります。このエドロホニウムテストで症状が改善すれば「MGの急性増悪」と確定でき、仮に症状が悪化したならば「コリン作動性クリーゼ」と判断することになるかと思います。
テストの結果は残念ながら本文に記載はありませんので究極的にはどちらかの判断はつきませんが、ほぼ確定で「未治療のMG」からの「MGの増悪」と考えられます。治療としてはエドロホニウムではなく長時間作用型の抗ChE薬や副腎皮質ステロイドが考慮されるはずです。
「MG治療中のコリン作動性クリーゼ」について少し復習がてら調べた際に、名古屋市立大学大学院 医学研究科 腫瘍・免疫外科学のサイトにクリーゼについての記載がありましたので一部引用してご紹介します。
クリーゼになるような患者はすでに抗コリンエステラーゼ剤は3錠程度、多い人は4-5錠はいっていることが多い。これ以上増量するのは、cholinergicとなりかえって危険なことがある。テンシロンテストはもしこれで増悪すればcholinergicとの診断がつき、治療方針が決まる(抗コリンエステラーゼ剤を中止し、パルスを考慮)がもしテンシロンテストでよくなっても、抗コリンエステラーゼ剤の治療域がかなり狭くなっており増量には慎重な方がよい。
http://www.med.nagoya-cu.ac.jp/mammal.dir/mg/page12.html#7
また、医師国家試験においては 91F-37 などで出題されていました。お時間があればご確認ください。
非常によく分かりました皆さん本当にありがとうございました
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