TOFのチアノーゼが出生直後にでるのは稀として覚えてたんですが、なんでこの問題はでてるんでしょうか?
詳しい方いらっしゃればご教示くだされば幸いです。
数ヶ月前に病理で独習した知識で恐縮ですが...
肺動脈狭窄の程度で変わるものと認識しておりました。
・狭窄が軽度の場合は、左心系の圧力が高く維持されるので、心室中隔を介した左→右シャントにより肺血流が増加、病態としては単独VSDに類似
・狭窄が強度な場合、狭窄による血流抵抗が体血管抵抗に勝って右→左シャントを形成、結果として静脈血が体循環に駆出されて早期にチアノーゼ出現
出生直後から出現しているということは、本症例では狭窄がかなり強かったものと推測します。
http://jspccs.jp/wp-content/uploads/j2102_083.pdfとロビンスを参照しました。
ちなみにロビンス曰く、早期にチアノーゼを来す例も多いとのことですが、いかがでしょうか...
いったちさん
ご回答くださりありがとうございます。
3年生で臨床に精通されててすごいですね。自分はもう病理学なんて忘却の彼方ですが……
一口にTOFといってもPSの加減が色々あり、pdfの「チアノーゼ出現の時期としては,約 1/3 が新生児期に,約 1/3 が 1~6 カ月の乳児早 期に残りの約 1/3 が 1 歳過ぎでといわれている.」の記載が全てですね
なんでTOFのチアノーゼが出生直後に出にくいと覚えてたかというと、ここ10年くらいのは数週間〜1ヶ月まで未診断のプレゼンテーションで出題されてるからです。
https://medu4.com/104A26
https://medu4.com/109F19
でもTOFの診断させる国試問題がそんなになくて、USMLEの攻略サイトをみるとそっちの症例はやっぱり新生児でした
https://step2.medbullets.com/cardiovascular/120002/tetralogy-of-fallot
実臨床ではエコーでPROV(Pulmonary infundibular stenosis, Right ventricular hypertrophy (RVH), Overriding aorta, Ventricular septal defect (VSD))をproveするのがGold standardでしょうが、109F19はエコーが提示されてなくて病歴一発勝負なんですよね……
感度特異度の問題だと思いますが、「TOFは早期にチアノーゼを来す例も多い」しかし、「生後数週にチアノーゼを来すのはTOFだと決め打ちできる」くらいの落とし所で納得しました。
この度はお忙しいところどうもありがとうございました。
どっこいしょ さん
いや、臨床に詳しいわけでも何でもないですよ...
TOFはシャントの方向が「どちらの場合も考えられ得る」という点で興味深く感じたことを微かに覚えていただけなので。
とはいえ典型的にはPSが強いみたいなので、原則として右→左シャントとして考えるべきですね。知識不足でした。
さて、104A26 然り 109F19 然り
どっこいしょさんがご提示いただいたように、TOFは出生後幾許かの時間を経過してからチアノーゼが出現するという症例が一般的なのかもしれません。
但しTOFにも型があり、殊に肺動脈が「閉鎖」している最重症型を極型ファロー四徴症(TF/PA or PA/VSD)と呼ぶらしく、これに関しては出生直後からチアノーゼが出現します。
https://www.nanbyou.or.jp/entry/4877
http://www.ncvc.go.jp/hospital/section/ppc/cardiovascular/tr20.html
素人目線、TOFは肺動脈の狭窄(や閉鎖)の程度次第で、チアノーゼが早期に出現したり、或いは比較的遅延したりする、言ってしまえば気紛れ屋さんなのかなぁ... という印象を受けました。
( 104A26はエコー上で肺動脈騎乗を確認できるのでTOFで明らか。でも109F19は何というか... 他の選択肢なら生後すぐにチアノーゼ出現するやろ、ってことで消去法で選択する方向性なのだと思います。。)
こちらこそ、背伸び気味でしたが貴重な機会をいただきありがとうございました。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
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