(高血圧と腎不全の既往があって、Kが5.1と高めな人が)、左肺癌に対する肺葉切除術中に、肺動脈からの1900mlの出血に対して、1600mlの赤血球濃厚液を急速輸血したところ、高Kになって、心室細動を起こしたという症例です。
この輸血量が適切ではなかったということでしょうか。
また、高Kでアシドーシスとなっているのに、BEがマイナスとなっていたり、PaO2が異常に高いのはどういう理由でしょうか。
回答失礼致します。
まずアシドーシスとBEマイナスは正しい関係かと思われます。
また血中酸素分圧が異常に高いのは肺換気を行っているからだと思います。
次に赤血球を急速輸血した時になぜ高カリウム血症になったかについてですが、
http://www.jrc.or.jp/mr/reaction/non_hemolytic/hyperkalemia/
が参考になるかと思います。
赤血球は通常放射線照射をしているためある程度壊れている可能性があること、またその赤血球が古くなればなるほど壊れるためカリウムが増えていくこと、さらにはこの患者様は腎不全を患っており元々血中カリウム濃度が高い可能性があることなど(上のhpに詳しく書いてありました。)から、赤血球の投与が刺激となり一気に病状が悪化したのではないかと思います。
このような事を考えた事がなかったので調べるいい機会になりました。ありがとうございます。
回答ありがとうございます。BE − はHCO3- など陰イオンの不足を示し、代謝性アシドーシス になっているということでしょうか。また代償として過換気になったことを高O2血漿が表しているということでしょうか。肺癌手術時は片肺換気ですので、そこまで至るのかと思ったりしてしまいました。
輸血前に、GVHD予防で放射線投与をしており、赤血球が壊れやすくなっていること 等 なるほどと感じました。
ドスコイ高崎様、いつも答えて頂いている質問の回答は、私が質問したものも、それ以外のものも勉強になることが多く、感謝しております。
「BE − はHCO3- など陰イオンの不足を示し、代謝性アシドーシス になっているということでしょうか。」
についてですが、BE-は血液を正常に戻すために必要な酸が+か-かで表されます。今回はアシドーシス故血中の酸が過剰になっているので、それを戻すのに必要な酸は-(マイナス)となります。(答えになっているでしょうか?質問の意図に沿っていないかもしれません。)
https://www.acute-care.jp/ja-jp/learning/glossary/bloodgas/be
が参考になると思います。
「代償として過換気になったことを高O2血漿が表しているということでしょうか。肺癌手術時は片肺換気ですので、そこまで至るのかと思ったりしてしまいました。」
今回は左右分離肺換気と書いてありますので、肺の手術ですが左右の肺に酸素を送り込んでいると考えられないでしょうか?
またアシドーシスが進んだことによる代償としての過換気に関しての文献などが見つからなく、私の予想の範疇で申し訳ないのですが仮に
アシドーシスの代償→過換気→酸素分圧上昇
が起こるとした場合PaCO2や、PHの値などが酸素分圧に対してそこまで大きく変化していないことが引っ掛かります。なので、人工呼吸による酸素分圧の高値と考えられないでしょうか?
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