解決済 111B41 01.腎

腎性尿崩症の治療

腎性尿崩症の原因として低カリウム血症と高カルシウム血症がありますが、治療としてこれらの副作用をきたすサイアザイド系利尿薬を使うとあります。これは、何故でしょうか。むしろ悪化してしまう気がしています。色々文献読んだのですがイマイチ納得できません。よろしくお願いします。

回答1件

  • 低カリウム血症や高カルシウム血症に伴う二次性の腎性尿崩症ならば、まずは電解質の補正を行うでしょう。サイアザイド系利尿薬を使う時にはそれらの副作用は確かに注意すべきだと思います。
    腎性尿崩症に対してサイアザイド系利尿薬が使われるのは、それが結果として尿量の減少に働くからです。
    機序としてはNa利尿による体液量の減少や低Cl刺激によりRAA系が亢進し、近位尿細管におけるNa・水の再吸収が促進し二次的な尿量減少をきたすようです。
    サイアザイド系利尿薬は、遠位尿細管におけるNaCl共輸送体を阻害し、尿中Na濃度を高めることで集合管における水の再吸収を抑制します。腎性尿崩症ではもともと集合管における水の再吸収が障害を受けているので利尿作用が弱まると考えています。そのためRAA系の亢進が目立って尿量減少となるのではないでしょうか。

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  • 問題参照 111B41

    46歳の女性。多尿を主訴に来院した。半年くらい前からトイレが近いことを徐々に自覚するようになった。最近になり就寝後にも2回程度トイレに行くようになったため受診した。排尿後は夜間であっても大量の水を飲んでしまうという。他に腹痛などの自覚症状はない。2年前から肝疾患で内服治療中である。身長156cm、体重54kg。脈拍68/分、整。血圧144/92mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。四肢に異常を認めない。尿所見:比重1.004、蛋白(−)、糖(−)、ケトン体(−)。血液所見:赤血球421万、Hb 13.2g/dL、Ht 40%。血液生化学所見:アルブミン4.2g/dL、AST 38U/L、ALT 42U/L、血糖124mg/dL、HbA1c 6.2%(基準4.6〜6.2)、Na 143mEq/L、K 2.7mEq/L、Cl 102mEq/L、Ca 10.0mg/dL、P 3.2mg/dL。

    多尿の原因として最も考えられるのはどれか。

    • a 耐糖能異常
    • b 間質性膀胱炎
    • c 心因性多飲症
    • d 中枢性尿崩症
    • e 低カリウム血症
  • 関連トピック

    なし