胃瘻では誤嚥のリスクが上昇すると聞いたのですが、本症例の最後の行に「嚥下造影検査で造影剤の梨状窩への貯留と軽度の気道内流入」とあります。これは軽度とあるので誤嚥のリスクが小さいと評価して、胃瘻造設が可能であると解釈すればようのでしょうか。嚥下造影検査での評価についてご教授頂けると幸いです。
誤嚥のリスクが存在すると評価して、誤嚥の危険性が小さい胃瘻造設を行うのではないでしょうか。
「嚥下造影検査で造影剤の梨状窩への貯留と軽度の気道内流入」は誤嚥のリスクが高いとまでは言わないが、明らかにリスクであるという風に解釈するのが良いかと思われます。
胃瘻造設では誤嚥のリスクが低下するのですか?質問を重ねてしまい申し訳ありません
気道内流入は誤嚥リスクではなく、誤嚥そのものです。嚥下造影時には軽度の気管内流入でも、嚥下はほぼ1日行われますので総量では多くなります。また、梨状窩への貯留物が気管へ流れ込むことも誤嚥の原因になります。
この症例ではすでに体重減少が起きており、何らかの栄養療法を行わなければなりません。速効性やALSという背景を考えると嚥下訓練による摂食量の増加は現実ではなく、胃瘻造設が適応となります。
更に言えば、、、
専門医レベルでは胃瘻の増設オペの適応がpaco2が45を超えると難しくなります。(厳密には50とされたりもします。が呼吸不全と絡めて。)
もう二型呼吸不全ギリギリの所なので、ここで胃瘻増設に踏み切るべきタイミングだよ!と示している問題でもあります。
誤嚥のリスクもあるが、それと天秤にかけても胃瘻増設をするなら今が良いタイミングという事なのですね! 皆さんありがとうございます!
ログインするとコメントを投稿することができます。
64歳の男性。ろれつの回りにくさと体重減少を主訴に来院した。半年前から話しにくさを自覚しており、同僚からも声が小さくて聞き取りにくいと指摘されるようになった。2か月前から食事に時間がかかるようになり、2か月間で体重が5kg減少している。1か月前からは両手指の脱力で箸が使いづらく、階段昇降も困難になってきたため受診した。意識は清明。眼球運動に制限はなく顔面の感覚には異常を認めないが、咬筋および口輪筋の筋力低下を認め、舌に萎縮と線維束性収縮を認める。四肢は遠位部優位に軽度の筋萎縮および中等度の筋力低下を認め、前胸部、左上腕および両側大腿部に線維束性収縮を認める。腱反射は全般に亢進しており、偽性の足間代を両側性に認める。Babinski徴候は両側陽性。四肢および体幹には感覚障害を認めない。血液生化学所見:総蛋白5.8g/dL、アルブミン3.5g/dL、尿素窒素11mg/dL、クレアチニン0.4mg/dL、血糖85mg/dL、HbA1c 4.5%(基準4.6~6.2)、CK 182U/L(基準30~140)。動脈血ガス分析(room air):pH 7.38、PaCO2 45Torr、PaO2 78Torr、HCO3- 23mEq/L。呼吸機能検査:%VC 62%。末梢神経伝導検査に異常を認めない。針筋電図では僧帽筋、第1背側骨間筋および大腿四頭筋に安静時での線維自発電位と陽性鋭波、筋収縮時には高振幅電位を認める。頸椎エックス線写真および頭部単純MRIに異常を認めない。嚥下造影検査で造影剤の梨状窩への貯留と軽度の気道内流入とを認める。
この時点でまず検討すべきなのはどれか。