解決済 111A31 08.消化管

イレウスと虚血性腸炎の鑑別

今回、二ボー形成がないのでイレウスは否定的とあります。実際の臨床ではgasless ileusやBSで機械音がしっかりと聞こえないこともあると思うのですが、注腸造影をせずに絞扼性イレウスなどを安易に否定してよいものなのでしょうか?少し気になったので、よろしくお願いします。

回答1件

  • 国家試験問題における身体所見は流石に疑いにくいですが、確かに実臨床では機械音がはっきりと聴取されないこともあります。
    しかしこの患者さんについては、立位および臥位の腹部エックス線写真で明らかなニボー形成がなく、血便症状や臨床経過と合わせるとイレウスは積極的には疑いません。
    ちなみに絞扼性イレウスを疑う場合にはエックス線撮影の他に造影CTを施行します。急性腹症ガイドラインも参考にしてみてください。

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  • 問題参照 111A31

    82歳の女性。腹痛と血便とを主訴に来院した。以前から時々便秘になること以外に自覚症状はなかったが、昨夜突然、左下腹部痛が出現し、直後に排便したところ血便であった。腹痛は、排便後一時的に軽減したが今朝から増強し、悪心を伴うようになった。その後も血便が続いたため受診した。10年前から自宅近くの診療所で高血圧症に対する治療を受けている。意識は清明。身長153cm、体重54kg。体温37.2℃。脈拍88/分、整。血圧120/84mmHg。呼吸数14/分。SpO2 98%(room air)。腹部は平坦で、左下腹部に圧痛を認めるが、Blumberg徴候と筋性防御とを認めない。腸雑音は低下し、金属音を聴取しない。血液所見:赤血球350万、Hb 11.0g/dL、Ht 43%、白血球9,200、血小板38万。血液生化学所見:尿素窒素19mg/dL、クレアチニン1.2mg/dL。CRP 5.0mg/dL。立位と臥位の腹部エックス線写真(A、B)を別に示す。

    入院後の対応として適切なのはどれか。

    • a イレウス管による減圧術
    • b 開腹手術
    • c カテーテル塞栓術
    • d 大腸内視鏡による減圧術
    • e 保存的治療
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