解決済 114B34 10.神経

くも膜下出血に合併する動眼神経麻痺について

お世話になっております。

本問において、右の動眼神経麻痺が見られるのは、右内頸動脈と後交通動脈の分岐部動脈瘤による動眼神経の圧排が原因である、と他社の解説集に記載がありました。自分で解いた際は、SAHによる脳圧亢進で脳ヘルニアが起こり、右の中脳が圧排され動眼神経麻痺が起きたと考えてしまったのですが、今回脳ヘルニアによる動眼神経麻痺ではない理由は、意識レベルがJCS Ⅰ-1だからでしょうか?

直前期の大変お忙しい中恐縮ですが、ご教授いただけますと幸いです。
宜しくお願いします。

回答3件

  • 脳ヘルニアの場合、Cushing現象(血圧上昇、徐脈)が見られるのではないかと考えられます。
    本症例においては血圧は高いですが徐脈にはなっていなさそう、というところで一つ可能性が下がるのかなと思います。
    さらに、大動脈瘤などのオペを実習などでご覧になったことがあると想像しやすいかもしれませんが、動脈瘤というのは破裂してもすぐ風船みたいにしぼむものではないように思うので、他社の解説もまた正しい記載かと思われます。
    もちろんSAHによって起きた脳ヘルニアのため動眼神経麻痺が出たけれどまだCushing現象までは見られてない、という状況もゼロではないと思います。
    長々と書いてしまいましたが、上のことは捉え方によってはすべて正しいことと考えます。
    そいちゃいさんの信じる理論を貫いていただければと存じます。
    国家試験までもうすぐ、まっすぐ行きましょう。

  • こあらちお様

    解説ありがとうございます!
    Cushing現象自体は記憶していたものの、脳ヘルニアの際に起こることまでぱっと思い浮かばず、知識として使えない状態でした。結びついてストンと納得できました。確かに今回の問題ではそれで脳ヘルニアの可能性を下げる事ができそうです!
    脳動脈瘤のオペを見たことがなく、まさにすぐ萎むと思い込んでいました。そのようなものではないのですね、、!新たな気づきです。
    どちらの考え方にも丁寧に解説をして下さり、感謝しかありません。結びの言葉にも勇気づけられました!
    あと少し、真っ直ぐ頑張ります!本当にありがとうございました!!

  • 昔medu4にお世話になった若手脳神経外科医です.まず本問では「中年女性」の「突然」の「激しい頭痛」から国試的には動脈瘤破裂によるくも膜下出血(SAH)を強く疑いますし,実際の救急現場でも必ずSAHを疑って頭部CTを撮像します.破裂した動脈瘤ですが,今回は救急受診時には止血されていることがほとんどです.再出血した場合にはどんどん脳圧が亢進していくので脳血流が低下し意識障害をきたします.JCS1の現在はある程度出血したものの止血が得られている状況を想定します.止血されているということは動脈瘤の破裂部に「かさぶた」が付いているような感じですのでご指摘の通り動脈瘤は萎んでおらず,風船のように膨らんでいます.なので動眼神経麻痺があることが説明できます.(なお,そのように止血されているが再度破裂して再出血するかもしれない状況の動脈瘤に対して行う外科的治療が開頭クリッピング術や経皮的コイル塞栓術となります.)脳ヘルニアが起きる状況は被殻出血や脳皮質下出血,急性硬膜下(or外)出血などのように脳を外から(or内側から)圧迫するような病態で発生します.SAHでも脳皮質下出血を合併する場合はありますが,上記のような病態が起きている場合には病変の対側の麻痺がほぼ必発です.今回の症例では麻痺がないので脳ヘルニアはありません.Cushing現象は脳圧亢進に対する反応ですので今回のSAHでも起きておかしくはありませんが,それほどの脳圧亢進に至らずに済んでいる状況と考えます.
    このコメントが受験生の理解の一助になれば幸いです.長文失礼しました.

コメントを投稿する

ログインするとコメントを投稿することができます。

  • 問題参照 114B34

    62歳の女性。突然の激しい頭痛のため救急車で搬入された。悪心および嘔吐を伴う強い頭痛があり、救急車を要請した。意識レベルはJCS I-1。体温36.9℃。心拍数92/分、整。血圧150/88mmHg。呼吸数14/分。SpO2 100%(鼻カニューラ1L/分酸素投与下)。神経診察では片麻痺を認めないが、右の眼瞼下垂を認める。瞳孔径は右6mm、左3mm。対光反射は左で迅速だが右で消失している。

    最も考えられるのはどれか。

    • a 髄膜炎
    • b 脳梗塞
    • c 片頭痛
    • d 緊張型頭痛
    • e 脳動脈瘤破裂
  • 関連トピック

    なし