該当問題のmedu4講義動画では、1.機能性の有無の判断は専門性が高いため必要ない、2.下垂体腺腫の第1選択は手術 との旨の解説がありました。
しかしながらprolactinomaの場合、UpToDateによれば第1選択はドパミン作動薬とされています。手術はドパミン作動薬が無効あるいは妊婦等投与が不適切な場合とされています。問題ではprolactinの軽度上昇からprolactinomaは否定的と考え、非機能性腫瘍に対して手術を選択させる意図があるのではないでしょうか。視野障害が存在するため圧迫の解除を目的として手術(長期視神経の圧迫は視力予後を悪化させてしまう)を選択させるという考え方もできるかもしれません。
切除可能か否かによらず、少なくとも「下垂体腺腫=第1選択は手術」ではないように思うのですがいかがでしょうか。
大変ごもっともな意見に思います。
Up to Dateや世の中にあるガイドライン等、すべて丸暗記して試験に臨めれば理想ですが、そうはうまくいかないのが現実です。
講義内や本サイトの解説内では私自身の長年の指導歴や、監修Dr.の意見を反映し、覚えるべきものと凌ぐべきもの、を線引して扱っています。今回の件はmedu4では「凌ぐところ」と判断しました。が、人により意見は異なるため、厳密に覚えたほうがよいとお考えでしたら、それも一つの手でしょう。
このへんのジレンマを御理解の上、有効活用いただけますと幸いです。
ご回答ありがとうございました。medu4として考え方、大変よく理解できました。
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38歳の女性。眼が見えにくいことを主訴に来院した。2年前から左眼の見えにくさを自覚し、3か月前から右眼も見えにくくなっている。3年前から無月経になっている。意識は清明。身長164cm、体重67kg。体温36.1℃。脈拍72/分、整。血圧132/76mmHg。呼吸数16/分。眼底は正常で、眼球運動に制限はなく、対光反射は正常である。血液所見に異常を認めない。血液生化学所見:TSH 1.3μU/mL(基準0.2〜4.0)、LH 2.4mIU/mL(基準1.8〜7.6)、ACTH 29.5pg/mL(基準60以下)、FSH 6.5mIU/mL(基準5.2〜14.4)、GH 0.1ng/mL(基準5以下)、プロラクチン34.8ng/mL(基準15以下)、FT4 0.9ng/dL(基準0.8〜2.2)、インスリン様成長因子-I〈IGF-I〉178ng/mL(基準155〜588)、コルチゾール11.2μg/dL(基準5.2〜12.6)。矯正視力は右0.1、左0.08。視野検査の結果(A)、頭部造影MRIの冠状断像(B)及び矢状断像(C)を別に示す。
適切な治療はどれか。