解決済 104H30 08.消化管

機能性ディスペプシアか過敏性腸症候群か

本問の解説では病歴より機能性ディスペプシアとなっていますが、「抗コリン薬筋注が著効する」との記述が気になり調べてみました。

機能性消化管疾患診療ガイドライン2014―機能性ディスペプシア(FD) p73ではコリンエステラーゼ阻害薬(アコチアミド)などが推奨されており、機能性消化管疾患診療ガイドライン2014―過敏性腸症候群(IBS) p73では抗コリン薬(ブチルスコポラミンなど)が「使用を考慮してもよい薬剤」として推奨されています。
作用機序のみで診断するのは浅はかかもしれませんが、逆の作用のように思えたので質問させていただきました。

本問では機能性ディスペプシアというよりは過敏性腸症候群を意識した問題だと考えたのですがいかかでしょうか。

回答2件

  • 機能性ディスペプシアの診断がついた後では抗コリン薬は使わないでしょうが、診断がついてないケースでとりあえず救急外来で投与することは多いです。
    作用機序がそぐわなかったとしてもプラセボ効果(!?)で良くなっているという事実こそが機能的病態を示唆しているのではないでしょうか。
    下痢や便秘の記載がなく、過敏性腸症候群は考えにくいかと思いました。

  • ご回答ありがとうございます。
    救急外来でそういった処置をすることが多いんですね。勉強になりました。
    病態生理や作用機序だけで説明がつかない部分も含めて患者さんそのものに目を向ける勉強をしたいと思います。ありがとうございました。

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  • 問題参照 104H30

    32歳の女性。主婦。腹痛を主訴に来院した。1年前に第一子を出産後、腹痛を訴えて救急外来を頻回に受診するようになった。夜泣きに耐えられず不眠が続いている。救急外来では抗コリン薬筋注が著効する。上部消化管内視鏡検査で異常を認めない。夫と子どもとの3人暮らしである。食事は不規則。運動習慣はない。喫煙は5本/日を7年間。飲酒はビール350 ml/日を10年間。体重は2か月で3kg減少している。夫は深夜に帰宅し話をする時間がない。意識は清明。身長155cm、体重40kg。体温36.5℃。脈拍80/分、整。血圧104/68 mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。尿所見、血液所見および血液生化学所見に異常を認めない。
    聴取した患者情報で最も有用なのはどれか。
    • a 食生活
    • b 運動量
    • c 喫煙歴
    • d 体重減少
    • e 家庭環境
  • 関連トピック

    なし