117A44で、肥満ではない妊婦のエネルギー付加量は、「初期:50、中期:250、後期:450kcal」と説明されていますが、「あたらしい産婦人科」では、妊娠中の負荷量は200kcalで一定とされています。現実的にはどちらでおぼえるべきでしょうか。
混乱を与えてしまいましたこと、深くお詫び申し上げます。
以下、丁寧に順を追って説明させていただきます。
まず、110C6の選択肢dの解説をお読み下さい。
本件はまさしく、この「学会により異なる」というパターンに該当し、産科学会のガイドラインと糖尿病学会のガイドラインにより、「初期:50、中期:250、後期:450kcal」の立場をとるか、「+200kcal」の立場をとるか、が分かれている部分の模様です。ゆえに、いずれも正しい記載となります。
どちらで覚えるか、につきましては、産科学会のガイドラインの方が2020年と糖尿病学会より、より最近改訂されており、そちらでは「初期:50、中期:250、後期:450kcal」となっておりますゆえ、「117回全問解説講座」の方針で押さえていただくのがbetterかと存じます。
が、今に至るまでの国試過去問で、いずれかで覚えていると失点し、他方で覚えていることが必須という問題は出題がございません。例えば117A44でも「22×1.6×1.6×30+250≒1,940kcal」「22×1.6×1.6×30+200≒1,890kcal」のいずれで計算しても、選択肢eの「1日の摂取エネルギーを1,200kcalに制限する」は明らかにバツと分かります。ゆえに、簡便さを追求するのであれば「一律+200kcal」という覚え方もラクでよいのではないでしょうか。
いかなる覚え方にもメリット・デメリットがございますゆえ、ご自身により合った方をお選びいただけますと幸いです。
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