卵巣癌の標準術式とは

117D70でd.薬物による抗癌治療が転移性卵巣癌(ないし卵管癌)の標準治療であるとデータベースの解説にサラっと書かれているのですが、それならテキスト12.1の「’’病期によらず’’卵巣摘出が有効である。”その後”化学療法を追加する」とあるのは一体...?と思ってしまったのですが...

回答1件

  • 何事にも例外がある、というわけで、その例外を敢えて出題者が突いてきた問題です。

    オンライン解説を読めば、ope出来ないことはご理解いただけると思いますので、おそらく正解に異論はないでしょう。ですので、このトピックを立ち上げたのは「テキストでは足りねーじゃねーか、この野郎!」というお叱りの気持ちからかと思います。大変申し訳ございません。

    前述の通り、医学は非常に膨大で、その例外も非常に多くあります。
    真に完璧を期すのであれば、各学会が出しているガイドライン類を通読〜暗記することになるでしょう。
    が、それは常人には困難ですので、より分かりやすく、噛み砕いて、簡略化したものを理解していくことになります。
    ゆえに当然ながら、厳密さが損なわれることがあり、トレードオフの関係からやむを得ないものと私は思っています。
    その線引をmedu4では「過去問で出ているか、いないか」に一極集中しています。
    よって、過去問で一度も出ていない、しかも原則から外れる事項までの対策は目的としていません
    80%以上が過去問そのまま、ないし焼き直しで出題される、という国試の現状を考慮するに、こうした事項の《予想》は意味がないと私は思っています。
    そもそも4年以上前の過去問とほぼ同じ問題でも正答率が99%にならない昨今の受験生の動態を観察するに、《予想》以前に過去問対策すら間に合っていない人が多い、というのが実情です。
    ※《予想》は趣旨としていませんが、過去問を行間を補いつつ、丁寧にまとめた結果、結果論として90%以上の国試問題が例年medu4講座でカバーされていますので、それで私は十分だと思っています。

    本問の正答率は62%。合否を分けすらしない領域です。
    よって、こうした原則外の出題があった場合、自分が受験生で当日試験会場で解くのであれば確実に捨て問。
    過去問対策として解くのであれば、後出しでピンポイントで知識を追加する、というのが正しい対応と考えます。

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  • 問題参照 117D70

    58歳の女性(2妊2産)。下腹部膨満感を主訴に来院した。3か月間に急激な腹囲増大と食欲低下を自覚した。44歳時に左乳癌の治療歴がある。51歳で閉経。母方のおばが卵巣癌のため死亡。身長154cm、体重44kg。体温36.8℃。脈拍76/分、整。血圧128/74mmHg。呼吸数24/分。腹部は膨隆し、上腹部に及ぶ弾性硬の腫瘤を触知した。内診で、両側付属器と子宮が一塊となり可動性不良な骨盤内腫瘤を触知し、Douglas窩と膀胱子宮窩にも各々腫瘤を触知した。直腸指診で平滑な直腸粘膜を触知した。血液所見:赤血球370万、Hb 10.8g/dL、Ht 32%、白血球8,800、血小板19万。血液生化学所見:総蛋白6.8g/dL、アルブミン3.3g/dL、総ビリルビン0.9mg/dL、AST 28U/L、ALT 40U/L、尿素窒素20mg/dL、クレアチニン0.8mg/dL、CEA 2.8ng/mL(基準5以下)、CA19-9 30U/mL(基準37以下)、CA125 1,280U/mL(基準35以下)。CRP 1.0mg/dL。骨盤部MRI T2強調水平断像(A)、矢状断像(B)及び腹部造影CT(C)を別に示す。審査腹腔鏡(腹腔鏡下試験切除術)で、腫瘍の播種病変との癒着により骨盤内臓器の同定はできず、腫瘍生検のみ施行した。病理診断の結果は高異型度漿液性癌であった。
    次に行う治療として適切なのはどれか。
    • a 免疫療法
    • b 開腹手術
    • c 放射線療法
    • d 薬物による抗癌治療
    • e 内分泌(ホルモン)薬による治療
  • 関連トピック

    なし