解決済 108I75 09.肝胆膵

腹部造影CTの読影について

膵臓の腫大と周辺の体液貯留、この2つ以外に異常所見はありますか?
また、膵臓は膵尾が腫大しているということですか?

回答2件

  • 膵頭部と膵体尾部の境目は、上腸間膜静脈のラインであったと思います。本問の画像では大動脈から前方(画面上方)に伸びる上腸間膜動脈が写っていますので、そのすぐ右(画面上の左)あたりに上腸間膜静脈を想定すれば良いのではないでしょうか。膵体部と膵尾部は、ちょうど、膵体尾部を二等分するラインで分かれたと思いますが、先に述べた頭部と体部の、解剖学的境界や、機能上の差異(膵頭部で外分泌機能が、膵体尾部で内分泌機能が優位など)は問われても、体部と尾部の区別は解剖学的にも機能的にもあまり気にしなくても良いのではないかと思います。

    また、膵臓の腫大の有無には定義があり、膵頭部での前後方向の幅が、椎体の左右の長さの1倍以上で膵腫大、膵体尾部では、膵体尾部の前後方向の幅が、椎体の左右の長さの3分の2以上で膵腫大だったと思います。椎体の左右の長さはCT上でも分かりやすいので、便利な法則ですね。
    正確な測定方法は存じておりませんが、本問のCTを肉眼で見る限り、体尾部の方が上の法則に当てはまる可能性が高いのではないかと思います。

    参考になれば幸いです。間違えていましたらどなたか追記訂正をお願い申し上げます。

    • コメントありがとうございます。とても参考になりました!

コメントを投稿する

ログインするとコメントを投稿することができます。

  • 問題参照 108I75

    65歳の男性。総胆管結石の加療目的で入院中である。入院翌日に内視鏡的結石除去術を施行した。終了3時間後から持続性の心窩部痛と背部痛を訴えた。体温35.8℃。脈拍100/分、整。血圧84/56mmHg。呼吸数20/分。SpO2 93%(room air)。顔面は蒼白である。腹部は平坦で、心窩部に圧痛と筋性防御とを認める。血液所見:赤血球422万、Hb 14.3g/dL、Ht 43%、白血球10,100(桿状核好中球7%、分葉核好中球66%、単球3%、リンパ球24%)、血小板26万、PT 94%(基準80~120)。血液生化学所見:総ビリルビン1.2mg/dL、AST 20U/L、ALT 19U/L、LD 151U/L(基準176~353)、ALP 246U/L(基準115~359)、γ-GTP 22U/L(基準8~50)、アミラーゼ1,495U/L(基準37~160)、クレアチニン1.0mg/dL。CRP 0.1mg/dL。腹部造影CTを別に示す。
    次に行うべき治療として適切なのはどれか。
    • a 血漿交換
    • b 大量輸液
    • c 緊急開腹手術
    • d 胆道ドレナージ
    • e 副腎皮質ステロイドのパルス療法
  • 関連トピック