解決済 112A61 02.内分泌代謝

β遮断薬の投与について

いつもお世話になっております。

高血圧診療のガイドラインが改定されたのに伴い、この問題では降圧療法の強化が必要になったのは理解できました。それに伴って、降圧薬の選択肢が2つあるので、正答肢が1個から2個に改変していると思われますが(もし違ってたらすみません。)、β遮断薬の投与について疑問に思ったため質問させていただきます。

本症例ではすでにACE-I、Ca拮抗薬が投与されており、さらにβ遮断薬を追加投与すると薬物相互作用の面から好ましくないのではないかと考えました。
日によってばらつきはあるものの、夜のHRが50台後半から60台であり、さらにβ遮断薬を投与すると特に夜間の徐脈にならないのかな?と思います。
ガイドライン上でも、β遮断薬とCa拮抗薬の併用に関して心臓抑制増強効果に注意するとあります。(https://www.jpnsh.jp/data/jsh2019/JSH2019_hp.pdfのp79.参照)

また、ガイドラインでは2剤併用療法の例として①ARB/ACE-I + Ca拮抗薬の併用、②ARB/ACE-I + 利尿薬の併用、③Ca拮抗薬と利尿薬の併用、④ACE-IとARBの併用が挙げられており、その上で治療抵抗性の場合、⑤Ca拮抗薬 + 利尿薬 +ACE-I/ARBの3剤併用療法を行い、更に+αでMR拮抗薬やβ遮断薬の追加投与を考慮するとありました。

もし正当肢を2つにするなら、ガイドライン的にはむしろβ遮断薬ではなく利尿薬のほうが正解に近いのではないかと思いました。
もちろん循環血液量や電解質の評価が問題文からはできないし、利尿薬がこの症例において適切であるとは断言できません。この点からも、2つ選ぶ形式に少し無理があるようにも感じました。

もし問題を改変するなら「まず考慮するのはどれか、1つ選べ」にして、正当肢を単にACE-Iの増量としたほうが、スッキリすると個人的には思います。

回答2件

  • 「現代ではcとdは誤り」という理解で十分かと思います。
    出題当時に想定されていない形にガイドラインが変わり、それに伴い正答数指定も変更したため、やや強引さが残っていることをご理解いただければと思います。

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  • 問題参照 112A61

    83歳の男性。高血圧症のために定期的に受診している。10年前に高血圧症と診断され、カルシウム拮抗薬とアンジオテンシン変換酵素〈ACE〉阻害薬とを内服している。介護保険では要支援2の判定を受けており、週2回デイサービスに通っている。服薬アドヒアランスは良好であり、めまい、ふらつきなどの症状はない。身長162cm、体重53kg。脈拍72/分、整。診察室で測定した血圧144/74mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。下肢に浮腫を認めない。患者が記録した最近2週間の家庭血圧を別に示す。

    この患者に対する対応で適切なのはどれか。2つ選べ

    • a 利尿薬の追加
    • b β遮断薬の追加
    • c 現在の投薬内容を継続
    • d カルシウム拮抗薬の減量
    • e アンジオテンシン変換酵素〈ACE〉阻害薬の増量
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