118F63

右膝関節に再手術を行い、抗菌薬治療を継続していた。再手術後2日目に初回歩行を開始したところ、突然の胸痛と呼吸困難が出現した。意識は清明。体温37.5℃。脈拍120/分、整。血圧90/44mmHg。呼吸数28/分。SpO2 92%(room air)。著明な発汗と頸静脈の怒張を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。
確定診断に最も有用なのはどれか。
胸部造影CT
心エコー検査
心電図検査
スパイロメトリ
動脈血ガス分析

解答: a

118F63の解説

【ポイント】
術後の歩行時にみられた、突然の胸痛と呼吸困難。1問目で読み取った血栓傾向の背景とも合わせ、肺血栓塞栓症と考える。これにより右心不全をきたし、頸静脈の怒張を認めている。

【選択肢考察】
a 正しい。肺血栓塞栓症の確定診断には胸部造影CTが有効である。
b 心エコー検査にて右心不全は読み取れるが、肺血栓塞栓症の確定診断はできない。
c 肺血栓塞栓症ではS1Q3T3と呼ばれる心電図所見が有名であるが、全例でみられる所見ではなく、またこれがみられたからといって肺血栓塞栓症の確定診断ができるわけでもない。
d 閉塞性や拘束性の呼吸障害を判別する際に有効。
e 低酸素血症や、過換気による低炭酸ガス血症を示すことができるが、肺血栓塞栓症の確定診断はできない。

正答率:98%

テーマ:肺血栓塞栓症の確定診断に有用な検査

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