118F59

84歳の男性。尿勢低下と尿失禁を主訴に来院した。以前から尿勢低下を認めていたが、1週間前から尿失禁もみられるようになった。身体所見では、下腹部膨隆を認める。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)、沈渣に赤血球、白血球を認めない。腹部超音波検査による残尿測定で膀胱内に400mLの尿貯留を認め、前立腺体積は60mLであった。まず、自己導尿を勧めた。
併用する薬物治療で行われるのはどれか。3つ選べ
α1遮断薬
β3刺激薬
抗コリン薬
5α還元酵素阻害薬
PDE5〈phosphodiesterase 5〉阻害薬

解答: a,d,e

118F59の解説

【ポイント】
高齢男性の尿勢低下と尿失禁。腹部超音波検査による残尿測定で膀胱内に400mLの尿貯留を認めており、尿閉をきたしていると考えられる(身体所見における下腹部膨隆は膀胱であろう)。前立腺体積の基準値は10〜20mL程度であるため、60mLは肥大しているとみなされる。前立腺肥大症〈BPH〉の診断。

【選択肢考察】
a 正しい。BPHの第一選択薬である。
b 過活動膀胱に有効。
c 尿閉が悪化する。
d 正しい。BPHの治療に有効。
e 正しい。BPHの治療に有効。

正答率:97%

テーマ:前立腺肥大症〈BPH〉の薬物治療

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