84歳の女性。要介護認定の申請にあたって、主治医意見書を作成するために来院した。20年前から高血圧症の治療中である。3か月前から物忘れや薬の飲み忘れが多くありAlzheimer型認知症と診断された。認知症の周辺症状および問題行動はない。ゆっくり会話をすれば意思疎通はできる。長男夫婦との3人暮らしで、日中はほとんどの時間を自宅で過ごしている。着替え、食事、排泄および入浴は自立している。薬と金銭の管理は家族の助けが必要である。改訂長谷川式簡易知能評価スケールは16点(30点満点)である。
この患者の認知症高齢者の日常生活自立度ランクはどれか。
ランクI:何らかの認知症を有するが、日常生活は家庭内及び社会的にほぼ自立している。
ランクII:日常生活に支障を来すような症状・行動や意志疎通の困難さが多少見られても、誰かが注意していれば自立できる。
ランクIII:日常生活に支障を来すような症状・行動や意志疎通の困難さがときどき見られ、介護を必要とする。
ランクIV:日常生活に支障を来すような症状・行動や意志疎通の困難さが頻繁に見られ、常に介護を必要とする。
ランクM:著しい精神症状や行動あるいは重篤な身体疾患が見られ、専門医療を必要とする。