118E39

72歳の女性。歩行困難を主訴に来院した。10年前から便秘で、5年前から嗅覚の低下を自覚している。2年前から料理のときに右手で妙めものをかき混ぜづらくなった。症状は徐々に進行し、3か月前から歩行が不安定となったため受診した。眼球運動は正常。仮面様顔貌と小声で早口の構語障害を認める。四肢では特に右上肢で中等度の筋強剛と静止時振戦を認める。四肢の筋力低下は認めない。Romberg徴候は陰性で感覚障害を認めない。痙縮はなく腱反射は正常である。起立は自力でできるが、姿勢反射障害がある。頭部MRIで異常を認めない。ドパミントランスポーターSPECTで左側線条体の取込み低下を認める。
この患者にみられる歩行障害はどれか。
鶏歩
小刻み歩行
動揺性歩行
はさみ足歩行
マグネット歩行

解答: b

118E39の解説

【ポイント】
便秘、嗅覚低下、歩行不安定、仮面様顔貌、小声で早口の構語障害、四肢の筋強剛と静止時振戦、姿勢反射障害、ドパミントランスポーターSPECTで左側線条体の取込み低下。教科書的なキーワードが多く並んでおり、Parkinson病と判断できる。

【選択肢考察】
a Charcot-Marie-Tooth病などでみられる。
b 正しい。Parkinson病でみられる。
c Duchenne型筋ジストロフィーなどでみられる。
d 痙性対麻痺などでみられる。
e 正常圧水頭症でみられる。

正答率:100%

テーマ:Parkinson病にみられる歩行障害

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