118E27

11歳の男児。下腹部痛を主訴に学校の先生に連れられて来院した。午後から急に下腹部痛が出現し、徐々に増強して我慢できなくなったため受診した。体温36.8℃。脈拍108/分、整。血圧118/62mmHg。呼吸数18/分。SpO2 99%(room air)。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦で、下腹部に軽度の圧痛を認めるが、筋性防御および反跳痛は認めない。肝・脾を触知しない。腸雑音に異常を認めない。鼠径部に腫瘤を触れない。左陰嚢は右陰嚢に比較して腫大し、透光性は無く、軽度の発赤と著明な圧痛を認める。カラードプラ陰嚢部超音波検査で左精巣実質内の血流信号が乏しい所見が認められた。
診断はどれか。
精巣腫瘍
精巣水瘤
精索静脈瘤
精巣捻転症
鼠径ヘルニア

解答: d

118E27の解説

【ポイント】
11歳男児にみられた急性腹症。左陰嚢が腫大し、軽度の発赤と著明な圧痛を認めていることから精巣のトラブルを考える。カラードプラ陰嚢部超音波検査で左精巣実質内の血流信号欠乏があることから、精巣捻転症の診断となる。

【選択肢考察】
a 通常、精巣腫瘍は無痛性である。
b 「透光性は無く」という記載から否定的。
c カラードプラ陰嚢部超音波検査で静脈瘤が描出される(血液の乱流をみる)。
d 正しい。上記の通り。
e 「鼠径部に腫瘤を触れない」という記載から否定的。

正答率:98%

テーマ:精巣捻転症の診断

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