118D24

30歳の女性。食後の胃もたれを主訴に来院した。高校生の頃から食後の胃もたれを自覚するようになった。大学受験や就職直後に症状が増強することがあった。3か月前から週3回と頻度が増えたため受診した。体重減少や発熱はない。既往歴や家族歴に特記すべきことはない。身長160cm、体重56kg。体温36.2℃。脈拍64/分、整。血圧120/70mmHg。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、圧痛を認めない。血液所見:赤血球468万、Hb 13.9g/dL、Ht 42%、白血球5,300、血小板21万。血液生化学所見:総蛋白7.8g/dL、アルブミン4.3g/dL、総ビリルビン0.9mg/dL、AST 22U/L、ALT 16U/L、LD 180U/L(基準124〜222)、ALP 80U/L(基準38〜113)、γ-GT 21U/L(基準9〜32)、アミラーゼ92U/L(基準44〜132)、尿素窒素12mg/dL、クレアチニン0.6mg/dL。CRP 0.1mg/dL。尿素呼気試験は陰性。上部消化管内視鏡検査では異常を認めない。
この患者に対する治療で用いられないのはどれか。
漢方薬
NSAID
抗うつ薬
酸分泌抑制薬
消化管運動調整薬

解答: b

118D24の解説

【ポイント】
大学受験や就職直後、といったストレスのかかりそうなタイミングで増強する胃もたれ。血液検査や上部消化管内視鏡検査に異常を認めておらず、機能的な疾患を考えたい。機能性ディスペプシア〈FD〉である。

【選択肢考察】
a 漢方薬も治療に用いられる。
b 誤り。NSAIDは胃腸粘膜を障害する作用を持つため、好ましくない。
c メンタル面が病態に影響しやすいため、抗不安薬や抗うつ薬も有効。
d 一次治療薬として主力となる薬である。
e 一次治療薬として主力となる薬である。

正答率:79%

テーマ:機能性ディスペプシアの治療

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