118C63

次の文を読み、以下の問いに答えよ。
55歳の男性。便秘を主訴に来院した。
現病歴:3か月前に会社内で配置転換があり勤務中にトイレに行きにくくなった。元々、便秘がちであり便が硬くなった。2週間前から腹部膨満感が出現したため受診した。排便回数は3日に1回でいきむことなく排便しているが、便は兎糞状である。
既往歴:45歳から高血圧症で降圧薬を服用している。今まで大腸がん検診を受けていない。
生活歴:喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。会社員で経理の仕事をしている。海外渡航歴はない。
家族歴:父が74歳時に大腸癌で手術。
現 症:意識は清明。身長165cm、体重68kg(体重の増減はない)。体温36.4℃。脈拍72/分、整。血圧136/80mmHg。呼吸数10/分。SpO2 97%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。口腔内にアフタを認めない。甲状腺と頸部リンパ節を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で腸雑音の亢進・減弱を認めない。直腸診で血液を認めず、明らかな腫瘤を触知しない。下腿に浮腫を認めない。
検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球468万、Hb 13.9g/dL、Ht 42%、白血球8,300、血小板21万。血液生化学所見:総蛋白7.5g/dL、アルブミン3.9g/dL、総ビリルビン0.9mg/dL、直接ビリルビン0.4mg/dL、AST 22U/L、ALT 18U/L、LD 172U/L(基準124~222)、ALP 83U/L(基準38~113)、γ-GT 32U/L(基準13~64)、アミラーゼ95U/L(基準44~132)、尿素窒素12mg/dL、クレアチニン0.8mg/dL、血糖98mg/dL。CRP 0.2mg/dL。胸部エックス線写真では心胸郭比46%、肺野に異常を認めない。腹部エックス線写真で小腸ガスや鏡面像を認めない。まず便潜血反応を行うこととした。
この患者の大腸に何らかの病変がある検査前確率(事前確率)を20%としたとき、便潜血反応陽性であった場合の検査後確率に最も近いのはどれか。
ただし、便潜血反応の感度は80%、特異度は90%とする。
33%
53%
57%
67%
97%

解答: d

118C63の解説

【ポイント】
長文3連問であるが、一般問題が3つ並んでいるだけであり、まったく読む必要がない。感度は80%、特異度は90%、検査前確率(事前確率)を20%であり、結果は陽性だったという。検査後確率は「疾患ありで検査陽性(①)」÷「検査陽性(②)」で求められる。ここでは省略するが、実際には表を書き、①=100×検査前確率×感度=100×0.2×0.8=16。②=①+「疾患なしで検査陽性」=16+(100×0.8×[1−0.9])=16+8=24のように丁寧に導く。ゆえに①÷②=16÷24=2/3。よって、選択肢の中で最も近いのは67%。

正答率:99%

テーマ:検査後確率の算出(計算問題)

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