118C45

38歳の初妊婦(1妊0産)。妊娠34週、妊婦健康診査のため来院した。妊娠32週までは特に異常を指摘されていない。既往歴に特記すべきことはない。体温36.9℃。脈拍80/分、整。血圧152/100mmHg。腹部は軟で子宮に圧痛を認めない。両下肢に浮腫を認める。尿所見:尿蛋白は3+。尿蛋白/Cr比は2.4g/gCr。血液所見:Hb 11.0g/dL、血小板18万。血液生化学所見:AST 15U/L、ALT 10U/L、LD 180U/L(基準124〜222)。胎児心拍数陣痛図で、胎児はreassuringで子宮収縮は認めない。推定胎児体重は、1,730g(−1.5SD)、臍帯血流に異常を認めない。
診断はどれか。
妊娠高血圧
HELLP症候群
高血圧合併妊娠
妊娠高血圧腎症
加重型妊娠高血圧腎症

解答: d

118C45の解説

【ポイント】
既往歴に特記すべきことはなく、妊娠32週までは特に異常を指摘されておらず、妊娠34週に血圧152/100mmHg(>140/90)を呈している。尿蛋白3+および尿蛋白/Cr比2.4g/gCrより、腎障害もあると考えられ、妊娠高血圧腎症の診断となる。

【選択肢考察】
a 尿所見より、腎症が存在する。
b 溶血を示唆するLD上昇も、ASTやALT上昇も、血小板減少も、それぞれみられていない。
c 妊娠前にも妊娠20週までにも高血圧症は存在していない。
d 正しい。上記の通り。
e 妊娠前にも妊娠20週までにも高血圧症は存在していない。

正答率:97%

テーマ:妊娠高血圧腎症の診断

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