118C39

13歳の女子。全身倦怠感と階段昇降時の息切れとを主訴に来院した。1年前に初経が発来し、月経周期は不規則であった。2か月前から月経が持続している。身長155cm、体重48kg。体温36.5℃。脈拍100/分、整。血圧98/56mmHg。眼瞼結膜は貧血様である。胸部の聴診で胸骨左縁にLevine 2/6の収縮期駆出性雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球407万、Hb 6.1g/dL、Ht 24%、白血球7,100、血小板42万。血液生化学所見:総蛋白7.1g/dL、アルブミン4.4g/dL、総ビリルビン0.5mg/dL、AST 14U/L、LD 152U/L(基準145~270)、尿素窒素13mg/dL、クレアチニン0.49mg/dL、Fe 7μg/dL、総鉄結合能487μg/dL(基準290~390)、フェリチン3ng/mL(基準20~120)。診断後に鉄剤投与を開始した。
治療に反応して、最初に増加するのはどれか。
血清鉄値
網赤血球数
ヘモグロビン値
血清フェリチン値
トランスフェリン飽和度

解答: b

118C39の解説

【ポイント】
「2か月前から月経が持続」とのことで、過長月経に伴う失血により、鉄欠乏性貧血を呈している。Fe↓、総鉄結合能↑、フェリチン↓、という検査結果も合致する。なお、収縮期駆出性雑音を聴取しているのは貧血の代償機構。一般に体内で鉄が欠乏すると、血清フェリチン→血清鉄→ヘモグロビン→網赤血球数の順に低下がみられる。鉄欠乏性貧血に対して鉄剤を投与した場合、この逆順に増加がみられる。ゆえに最初に増加するのは網赤血球数である。

正答率:20%

テーマ:鉄欠乏性貧血に対する鉄剤投与で最初に増加する指標

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